若詩

三日
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買い物の帰りに道を歩いていると、私の隣で、一台のタクシーが停まった。

「おう」

運転席の窓から顔を出したのは、仕事中の主人だった。

「どうしたの? 仕事じゃないの」

夫はタクシー会社に勤務している。
真っ昼間に仕事をさぼって何をしているんだ、と思った。

「あと三日で、退職するんだ」

こともなげに云う。
結婚して以来暇もなく、たまの旅行以外は一緒に買い物も出来なかった。
私はつい嬉しくなって、

「本当!? じゃあこれで、どこへでも連れていってもらえるんだね!」

そこで目が覚めた。




亡夫、あなたが亡くなってから三日後のことだ。



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