慕詩

□響き音
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赤い空の下、

遠くで

近くで

咆哮がきこえる



たくさんの

たましいの

雄叫びがきこえる



飛んでゆく

あれらの中に

貴方の魂は

あるのでしょうか



全身を覆う無力感

流れる涙は千の糸

うずくまって

両肩を抱いて

戦国の夜は更ける






赤い花の上、

山から

沢から

慟哭がきこえる



たくさんの

たましいの

旋律がきこえる



踏みつぶす

ひがんの花に

貴方のおもかげは

うつるばかりで



祝杯落とす無常観

流す血流れ千曲川

坐りこんで

両膝を抱えて

戦国の野は錆びる





Fin.


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