慕詩

□朔の夜に
1ページ/1ページ

徐かすぎる朔の夜に
俺は悩み迷いながら
この道を進んでいる
灼熱の昼にあなたも
この道を進んだのか
この、同じ道の上を


同じところでやはり
あなたも迷ったのか
難なく飛び越えたか
いずれにせよこの道
いつも俺の先をゆく
あなたは、今どこに


先ゆくあなたはもう
俺の視界に入らない
死んでしまったのだ
けれどあなたは俺に
この一筋の道を残し
さあ進め!と、遺し


太陽と月の二本道が
重なって一本になる


徐かすぎる朔の夜に





Fin.


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ