戦闘記録.
□あるはれ
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「クッソゥ…どこ行きやがったあのヒゲ…」
ここはマリオサーキット。そこには1人佇むリンクの姿があった。
「今日と言う今日は許さん…」
忙しいのに無理矢理呼ばれ、当の本人は姿を見せない。
武器を手入れしながらコース端で悪態をつくリンクの前に、一台のナニかが止まった。
「リンクぅ〜、待った??」
「かなり待ちました。もう帰ろうかと思うと同時に殺気も湧きました。」
素っ気ない返事を返す。…なんだアレは。そう思ったがリンクはツッコまない事にした。
「いやさ、キャプテンとこ行ってたら遅れちゃってさぁ…」
マリオは機体をいやらしい手つきでなでながらいやらしい顔で言った。
「今からアイクもマルスと一緒に…」
「いやぁあァァアァァ!!!!」
「王子!!何故ですか!?」
マリオの言葉を遮るぐらいの大声でペガサスを全速力で飛ばしやってくるのはマルス。
その後ろには馬で追いかけてくるアイクの姿が。
「一緒に入ろうって言ったじゃないスか温泉!!」
「やだっ!!だってアイク顔がアブナいんだもん!!あっ、リンクさん助けて下さいよぅっ!!」
そう言いながらマルスはリンクの後ろに隠れた。
「なァにしてんだ、池。オレは今最っ高に気分が悪いんだ。ウチのマルスにまとわり付くのはやめろ。」
リンクは仁王立ちでアイクに殺気を放ちながら言う。
「誰が池だよ!!そんで王子はアンタのじゃないだろ!!」
「まぁまぁお前たち、落ち着いて。とりあえず退かないとヘイホーにひかれるぞ。」
みんなはマリオに言われ慌ててコース外に身を投げる。
その後すぐにヘイホーが通り過ぎた。
「んで、ヒゲ…マリオさん。なんでここにボク達を呼んだんですか?」
リンクは逃げる際に抱えていたマルスをゆっくりと下ろしながら聞いた。
「あ、今ヒゲっつった??…まぁいいや、ホントはフォックスや弟も来るつもりだったけどな…訳あって来れなくなった。キャプテンから預かったコレを、試して欲しいんだが。」
マリオは後ろを指差す。みんなが見たそれは車…と言うか、バナナだった。
「乗れるの、アレ。」
「乗るの、アレ。」
どう見ても残念すぎる設計にみんなが涙しそうになった。
「外見は多少アレだが…すごい速いんだ!!走ってるって言うより、滑ってるっていうか!!」
マリオは興奮気味に言う。
「ま、バナナだしな。ファルコンもまたどうしてこんなものを…」
アイクは機体に触れてみた。
ぷにっ
「っ!?」
柔らかい…コレが走るのか?いや、マリオさんは乗ってきたんだよな…一体どうやって…?と、アイクはマリオとバナナを何度も見返した。
「あ?あぁ、上に乗るんだよ。それ。苦労したよ〜ほら、見てこの打撲。」
「あ、それやっぱり打撲で腫れてたのか。またお太りになられたのかと…」
王子!!お口が過ぎます!というアイクのツッコミがコース内に響いた。
「で、コレを乗りこなしてオネットで走らせたら最強じゃね?って事ですよね。」
話が進まずキレそうなリンクが咳払いをして話を纏める。
「そうそう。ってなわけで試しにぶっ飛ばされてみてくれ。」
マリオは爽やかに言う。同時に、リンクの怒りは一気に爆発した。
「なら…お前が飛ばされろハゲェェエェェ!!!!」
「リンクさん落ち着いてェエェェ!!」
「ハゲって言うな爆弾狂がぁあぁぁ!!!!」
「あんたらちょっと落ち着けって!!」
とうとう乱闘を始めたマリオたちは、ダメージが溜まっていく。当然、その後ろからヘイホーカーが来るなんて気づいてなかった訳で…
「っ!?マ、マズい!!!!ヘイホーがっ!!」
「横に回避し…ってコレは無理だぁあぁぁ!!」
「なっ!?シールドも残ってねぇェエェェ!!!!」
「あー…ダメだこりゃ…」
ドガッッッ!!!!
「……クソ…次は殺す…」
「まぁ今回わかった事は…僕ら車に弱いって事ですよね…」
飛ばされながら悪態をつくリンクを、マルスが宥めた。
「もうイヤだ…」
「ま、そう言うなよ兄弟!!」
顔を伏せるアイクをマリオが励ました。
そして4人の雄叫びがアスファルトにこだましたのだった。