□【09夏休み】桃組
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寄せては引いて。
引いては寄せて。

暑い日差し差す中、それは、まるで優しい子守歌。






【余波の歌】 犬寸







涼しげな波の音に耳を傾け、少しベタつく潮風を一身に浴びる。



「なんだか、懐かしい気分になりますね。」



何処までも続くと錯覚するかのように広く続く青い世界。
覚えてはいない母胎の中はこんなだったのかもしれないと話し掛ければ返事はなくて。



「…寝てる。」



すやすやと寝息を立てる幼い寝顔一つ。



「こんなところで寝たら、焼けちゃいますよ。」



笑いながらも、この穏やかな眠りを妨げるのも忍びなくて。

あと5分だけ。

そんな誓いをたて、誘うような寝息と優しい子守歌との戦いに身を投じた。














20090814
身体も心も骨や脳まで。すべてを溶かす優しくも危険な子守歌。



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