□好きだよ
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「何だよ、余裕ってか?じゃあ次十周行って来るか?」

「げ…!それは勘弁…」


たわいもない話をして一笑いした後、今度は二人してふぅ、と吐息を漏らした


「もう四月か。早かったな〜」

「っスね」


俺達は、芝生に寝っ転がって、この1年の間の事を振り返っていた


「この1年、色々ありましたよね。先輩達と全国まで行ったり」

「だな」


先輩はそう答えた後、何かを思い出したかのように、フ、と笑った


「俺達が出会った日の事、覚えてるか?アレからもう、1年も経つんだぜ?」

「ああ…。そういやあの日も、こんな風に桜が散ってたっけ」


上を見上げれば、桃色の花が咲き乱れ、青い空を美しく飾っていた。


「だな…」


何処か切なそうな表情で桃先輩が言った。


「……お前みてぇだよな」

「は?」


突然、脈拍の無い話をして来た先輩に対し、俺は意味が分からない、というような顔をした。


「桜だよ、桜」

「サクラ?」

「あぁ。…何かお前と似てるなぁ、って」


意味分かんない、というと、先輩はやっぱ分かんねぇよな、と苦笑していた








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