「何だよ、余裕ってか?じゃあ次十周行って来るか?」
「げ…!それは勘弁…」
たわいもない話をして一笑いした後、今度は二人してふぅ、と吐息を漏らした
「もう四月か。早かったな〜」
「っスね」
俺達は、芝生に寝っ転がって、この1年の間の事を振り返っていた
「この1年、色々ありましたよね。先輩達と全国まで行ったり」
「だな」
先輩はそう答えた後、何かを思い出したかのように、フ、と笑った
「俺達が出会った日の事、覚えてるか?アレからもう、1年も経つんだぜ?」
「ああ…。そういやあの日も、こんな風に桜が散ってたっけ」
上を見上げれば、桃色の花が咲き乱れ、青い空を美しく飾っていた。
「だな…」
何処か切なそうな表情で桃先輩が言った。
「……お前みてぇだよな」
「は?」
突然、脈拍の無い話をして来た先輩に対し、俺は意味が分からない、というような顔をした。
「桜だよ、桜」
「サクラ?」
「あぁ。…何かお前と似てるなぁ、って」
意味分かんない、というと、先輩はやっぱ分かんねぇよな、と苦笑していた
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