「いや、違ぇよ!んなもんいねぇって!」
「はぁ?本当か?」
「本当の本当だ!!」
「まぁ、お前がそこまで言うんなら、そういう事にしとくか」
「…おぉ」
キスマークな訳あるか。
恋人なんていねぇし…
それどころか、
生意気な後輩に片思い中なんだからよ
―――……
あの後すぐ、俺と桃先輩は昼の弁当を食べる為に屋上へと来ていた。
「ねぇ、桃先輩。恋人でも出来ました?」
「は?」
桃先輩は何の事だかサッパリ分からないというような表情で俺の方を見た。
「コ・コ」
そう言って俺は自分の首を指す。
桃先輩は、あぁ、と頷き頭をガシガシと掻いた。
「知らねぇ間に付いてたんだよな……。何だろうなコレ」
「ふーん…知らない間に、ね」
そう言って、俺はファンタへと手を伸ばした
「…お前、信じてねーだろ」
まさか、と俺は首をすくめた
「桃先輩が言うんなら嘘じゃないでしょ」
「ま、まぁな」
「何赤くなってんスか?」
わざと桃先輩の顔へと自分の顔を近付けた
「な、何でもねぇよ!!」
…桃先輩、顔真っ赤すぎ。
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