□valentine
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「あー、バレンタインの話っスよ。ほら、こいつアメリカ居たじゃないっスか。だから知らないらしいんっスよ」


な、と言いながらリョーマの背中を叩く。


「…痛いっスよ、桃先輩」

「おチビ、帰国子女だもんねー」



そう言い、笑いながら菊丸は腕を絡めてきた。


「……」

「そっスね」

「そいで、バレンタインの事を知りたがってるってトコかにゃ?」

「まぁ、だいたいそんな感じっスね」

「そっかぁ。じゃ俺が教えてあげる。バレンタインってのはね〜」


話を始めた菊丸の話を遮って、我慢の限界を迎えた桃城が、リョーマの腕を引っ張る。


「ちょっと英二先輩。まずは越前から離れてくれませんかね」

「にゃ?良いじゃん。どうせ桃はおチビからチョコ貰うんでしょー。だから俺は今おチビとラブラブするのー!」

「え?俺、桃先輩にあげないといけないんスか?」

「え?あげないの?」


菊丸がキョトンとし、リョーマの方を振り返る。


「だから、俺は日本の“ばれんたいん”について知らないんだって」


何考えてんだか、とでも言いたげにため息を吐きながらリョーマはそう言った。


「あぁ、そうだったにゃ。まだ説明してなかったね。えっと、バレンタインってのは、簡単に言うと好きな子にチョコをあげる日なんだよね」

「…好きな人に…?」



あぁ、とリョーマは頷く



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