7月23日。
「桃、お誕生日おめでとー!」
「ありがとうございます!」
先ほどから、部室で延々と繰り返される言葉。
部活が終わったというのに。先輩、同級生、後輩、ありとあらゆる人達が桃先輩の元へ、プレゼントを持ってやって来る
そんな光景を見て、俺は誰にも気付かれないように息を吐いた。
先輩は人気者だから。
そう割り切っても、そんな光景、面白い筈なくて…
「…お疲れ様でした」
逃げるように、その場を後にした
「え!?ちょ、オイ!越前!」
いつも一緒に帰っている俺が、今日は無視して部室を出て行く。それを不思議に思って、追って来ようとしているのがよく分かる
でも桃先輩は追って来ない。
だって、まだプレゼント渡せないで待ってる人も沢山居るし、それを放って置いて来れるような人じゃないのは充分分かってる。それに、あんだけ抱えきれない程のプレゼントがあったら準備なんかスグに出来っこない。
「はぁ…」
外に出て、周りにを見ても誰も居ない。 皆桃先輩を待ってるのかな…
そう考えたら、段々と腹が立ってきた
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