□好きだよ
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季節は春。
かつて青学を盛り上げていた3年生は卒業を迎え、今や一か月前まで小学生であった新入生がちらほらとテニス部にも入部してきていた。

チームの中心となる俺達、青学レギュラーは他の部にも負けないくらいコートで声を張り上げていた。


「おい、そこの1年!手が止まってるぞ!球拾いしろよ!!」

「ねぇ、ソコ。無駄話しないでくんない?」

「お前、十周行って来い」


今ではレギュラーメンバーも去年とは変わってきているが、中心となっているのは昨年からのレギュラー。気合の入るように大きな声で新入生に指導をしていた。

それでも、妙に先輩風を吹かしたりする訳ではないので、意外にも俺達は後輩に好かれているらしい。


ま、どうでも良い事だけど


「よし、休憩だ!」

「はい!!」


もうすっかり部長というポジションに慣れた海堂先輩の声で部員が四方八方へと散って行く。


「ふぅ、疲れたなぁ!」


桃先輩と俺は、テニスコートの裏に丁度ある、影になっている所で腰を下ろした。

今じゃここは、俺と桃先輩の独壇場だ。


「こんなんで疲れてるようじゃ、桃先輩もまだまだっスね」


あれから月日は過ぎて、俺達は学年が一つ上がった。

それでも、桃先輩曰く俺の生意気さは変わらないらしい。








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