屋上は最高の昼寝スポットだ。
また今日も、俺はココで休憩という名の睡眠をとっていた。
「んー!よく寝たー!!」
欠伸をし、腕を思い切り伸ばしてから、授業に臨むべく下の階へと降りて行く。
「…?」
やけに、一部の生徒からジロジロと見られている気がしたが、その時は大して気に留めなかった。
「やっと帰って来たか、桃」
俺が教室に入るなり荒井が話し掛けて来た。
「おう!!何たって今から昼飯だしな!」
「やっぱそれかよ〜……って、それ……」
「へ?」
荒井は自分の首元を指していた。
「何かあんのか?」
虫でも付いてんのか?と思い、自分の首筋へと手を伸ばし、なぞってみた。
「?何もねーじゃん」
「おまっ…、鏡見ろ!」
「へっ?鏡?」
そこまで言われたら見ない訳にもいかないだろうと思い、女子に鏡を借りて見る事にした。
「……虫刺され?」
自分の首筋の一部が赤くなっている事に気づき、そう呟く。
「バカかお前!どうみてもキスマークじゃねぇか!」
「はぁ?」
そんな身に覚えの無い事を言われてもなぁ……
「もしかして今の間にヤって来たのかよ。やるじゃねーか、桃。相手、誰だよ」
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