□赤い華
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屋上は最高の昼寝スポットだ。

また今日も、俺はココで休憩という名の睡眠をとっていた。


「んー!よく寝たー!!」


欠伸をし、腕を思い切り伸ばしてから、授業に臨むべく下の階へと降りて行く。


「…?」


やけに、一部の生徒からジロジロと見られている気がしたが、その時は大して気に留めなかった。


「やっと帰って来たか、桃」


俺が教室に入るなり荒井が話し掛けて来た。


「おう!!何たって今から昼飯だしな!」

「やっぱそれかよ〜……って、それ……」

「へ?」


荒井は自分の首元を指していた。


「何かあんのか?」


虫でも付いてんのか?と思い、自分の首筋へと手を伸ばし、なぞってみた。


「?何もねーじゃん」

「おまっ…、鏡見ろ!」

「へっ?鏡?」


そこまで言われたら見ない訳にもいかないだろうと思い、女子に鏡を借りて見る事にした。


「……虫刺され?」


自分の首筋の一部が赤くなっている事に気づき、そう呟く。


「バカかお前!どうみてもキスマークじゃねぇか!」

「はぁ?」


そんな身に覚えの無い事を言われてもなぁ……


「もしかして今の間にヤって来たのかよ。やるじゃねーか、桃。相手、誰だよ」




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