□お酒は20歳から
1ページ/5ページ


「うわ、おチビ可愛い〜!」

「本当、いつもの生意気な越前君だとは思えないね」


周りには俺と越前を囃し立てる先輩達。



そして…



「…桃せんぱい」


目の前には頬を赤く染め、俺の首に手を掛けて甘えてくる越前。


(……何だ、この状況)


こんな事になった元凶は、一時間前に遡る。



1時間前――



レギュラーしか残っていない部室で、英二先輩が騒ぎたてたいたので、何事かと思って聞いてみたら『今から英二先輩ん家で遊ばないか』という事だった。


「ねぇ、皆今日家来ない?!俺ん家今日、親が留守なんだよねー」

「へぇ、皆でね。楽しそうだね。手塚、どうする?」

「あぁ、家族に連絡すら取れば、たまには良いんじゃないか?たまにはこういうのも大事だ」

「じゃあ、僕と手塚は参加ね」

「海堂、俺は参加するけどお前はどうするんだ?」

「…じゃあ、俺も参加します」

「皆行くのかー。楽しそうだし、俺も参加させて貰おうかな」


レギュラーが次々と参加を決めている中、ただ一人、越前だけは不機嫌だった。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]