テニスの王子様夢小説

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「服を脱げ」
「は?」
「服、脱げ」
「ちょ、あの光?」
「はよせんかい。あほ」
「いやいやいや。アホはアンタや」
「いいからはよせい」

今日は雨で、ミーティングは昨日やっちゃったから今日はもうすることなくて。めずらしく部活は中止。

だから、私は光の部屋でベットに寝そべりながらファッション雑誌を読んでいた。あーこれ可愛いなー、とか。欲しいかも…とか。

光もベットに背中を預けて携帯をいじっていた。はずだった。ついさっきまで。

「ちょ、何すんねん!」

虚を突かれている間に雑誌はベットの下に投げ捨てられ、ベットに押さえ付けられていた。

「じっとせい、アホ。制服、皺んなるで」

皺なんて気にしてる場合じゃない。光と付き合い始めて三ヶ月。私にとって光は、所謂初カレというやつで。

まだ、そーゆーことはしてないし。待ってくるって光は言った。言った!!

それに、今はマズい。
ひっじょー、にマズい。

しかし必死に抵抗しても所詮男と女。しかもあのテニス部にいる光と私の力の差は歴然。

「ひ、かる…!やぁ…」

ブラウスの前が完全に開けられて、光の手が止まった。

「…やっぱりな」

光はふぅとため息をつく。私はきゅっと目を瞑った。

「この痣はなんなん?」

脇腹に大きな痣。光がその上とすっと撫でた拍子に私はビクッと身を縮こませた。

これは光のファン、にやられたものだ。これほど口が悪くて俺様にも関わずおモテになるのはやっぱりその顔のせいか。

…それと付き合ってる私が言うのもなんだが。

そのせい(どのせい)か光のファンはミーハーな子は少なくて、何と言うか…ねちっこい。

私だけは光のことを分かってる。みたいな。

試合の時にキャーキャー騒いだりしないが、いじめが陰湿だ。

お約束な上履きに画鋲から始まり、机に落書き、教科書が紛失、体育着がプールに浮かんでた、なんてことも。

面倒だから大事にしなかったし、光にも言わなかったのが逆に仇になったのか、ある日の放課後。校舎裏に拉致られた。

何を言われたのかは覚えてない。右から左へ聞き流す技術は一流だ。頭の中にそのイントロが流れてる。

早く終わんないかなー…なんて余裕ぶっこいてたら、思いっきり蹴られた。

それだけだ。
気絶したけど、それだけ。

「か、階段で転んだんよ!そらもう豪快に!ちょうどそんとき、誰もおらんかったから「嘘つくなや」

いやーだって言ったら怒りそうなんだもん。あの子達にじゃなくて、私に。今まで言わなかった事とか。貞操の危機だ。

「これ見てもそんな事言えるんか?」

光はさっきまでいじってた携帯の画面を私に見せた。
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