その他
□宣戦布告
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煙草が嫌いな私はまず名前からしてこの人が嫌いだ。
「そんなに見惚れるほど俺が好きか」
「寝言は寝て言って下さい」
私の隣で机に向かっているたしぎさんがちらちらと、しかしひやひやしながら私達を見てる。いつものことだ。ちなみに言うと、たしぎさんだけではない。
「じゃあなんで見てやがる」
「煙草嫌いなんです。特に煙が。こっちに飛ばさないで下さい」
「勝手に飛んでくんだ、諦めろ」
「なら外で吸って下さい」
あーほら。間違えてしまった。苛々してるといつもこれだ。新しい書類を貰ってこなければ。ついでに外の空気を吸って頭を冷やそう。うん、それがいい。
「どこ行く」
「新しい書類を貰ってきます」
返事を聞かずに部屋を出た。どうせ文句を言われるのがおちだ。
「たしぎ。コーヒー」
「…スモーカーさん」
「早くしろ」
たしぎはため息混じりにコーヒーを煎れてスモーカーの机に置いた。
「スモーカーさ「うるせぇ。お前の小言は聞き飽きた」
スモーカーは煎れたばかりのコーヒーを一気に飲み干し、乱暴に部屋を出た。