銀魂夢小説

□盗まれたのは貴方の心
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草木も眠る丑三つ時

そんな漆黒の中で一人動く影が───…
















─カラカラカラ…

とある建物の2階の窓からその影は中に静かに降り立った

『(なんだ…何もありそうもないな…)』

辺りを見渡しても目に付くのはつぎはぎのソファにぼろい机

ちっさいテレビに何の価値もなさそうな糖分

『(まぁ折角入ったんだし…漁るか)』

それでもその影は一応静かに物色を始めた

もう皆さんのお分かりの通り

その影とは盗っ人
世間ではファントムと呼ばれております

『(ホントに金目のもんが何一つねぇ)』

「あーったくよォ…あのオヤジ…」

一通り漁ったところでどうやらここの住人が帰ってきてしまった様子

『(どうしようか…ぶん殴るか?)』

─パチ

物騒な考えを巡らせていたところで電気が付いてしまいました

その瞬間
銀髪の死んだ目をした侍と目が合ってしまいました

「んーオメェ誰だ?新八の友達か?」

『そうそう。新八どこっスか?』

話を合わせてしまえ作戦
果たして成功なるか?

「って、んな訳あるかァァァ!!ヘルメット被ったまんた友達の家に来る奴がいるかァァァ!!」

残念
失敗したしてしまった様子です

こういう時は逃げるに限る
と誰かが言っていました

『ま、盗んでないから大目にみろ』

流石窓からの脱出はおてのもの
さほど物音も立てずひらりと降り立ちます

そしてその場から立ち去ろうと走り出しました

しかし

「待て、コラァァァ!!」

『はっ!?盗んでないっつーの!!』

銀髪の侍が原付をかっ飛ばして追い掛けてきました

原付と人の足の速さなど一目瞭然

追い付かれそうになったファントムは塀を蔦って屋根に登ります

「おぅこら。降りてこい盗っ人」

『だから、盗んでない』

「じゃ不法侵入で」

『じゃってなんだ。大体こんな夜に騒ぐな。近所迷惑だ』

「お前が言うかコノヤロー」

2人共迷惑ですよ

「旦那ァ。何してんですかィ」

バッドタイミングと言うかグッドタイミングと言うか

真選組登場

しかも厄介な奴が

「おーイイトコに来た。あいつ捕まえてよ。盗っ人なんだけど」

『盗んでないって。お前頭大丈夫か?』

─ガチャ ドゴォン!!

「………は?」

沖田がバズーカを発射
近所迷惑この上ないですね

あ、電気付いた

『あっぶね。近所迷惑甚だしいな』

しかし間一髪のところで避けたファントムは隣の家の屋根の上にいます

「捕まえた!!」

『うわっ!!』

「山崎ィー捕まえたかィ?」

「はい!捕まえました」

おや、山崎?どこにいたの?
影が薄いんだから全く

「なんだ今までてこずった割にはあっさり捕まったな」

「あれー多串くんもいたの」

「あれ土方さん。いたんですかィ」

「オメェと一緒に来ただろうが!!」

いつの間にやら土方まで登場

ついでに山崎も

どうやら真選組もファントムを追っていたようです

「あのー…副長…沖田隊長。連れて来ましたけど…」

縄で結ばれて身動きが取れないファントムは大人しい限り

特に抵抗する様子は見せません

「まずはそのツラ見てやろうじゃねぇーの」

そう言って手を伸ばしたのは銀時

ヘルメットを乱暴に剥ぎ取りました

『…って…もう少し丁寧にやれよ』

「「「「……………」」」」

覆面の下から出てきたのは





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