短夢

□ずっと二人で…
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今日は私達、3年の卒業式だった。
私は「卒業」と言う重い言葉にすごく緊張していた。



式が始まる前、「式なんかかったりぃだろィ?」と総悟くんが私の耳元で囁いた。
少し迷ったが、うなずくと彼はニヤッと笑って私の手首を掴んだ。
驚いている私をよそにそのまま校庭の桜の木の下へと引っ張っていった。



「さっ昼寝でもしやしょう。」



卒業の日なんて考えさせないようなサラッとした言い方。



「あっうん。」



驚いて返事したころにはもう、桜の木の下ですーっと寝息をたてて寝ていた。
寝顔を覗きたくなって膝立ちになって見下ろすと、寝ていたはずの総悟くんがぱっと目を開け顎を掴み鼻が当るくらい顔を近付けた。



「……ッ!?」



また驚く私を楽しそうに見ている彼。



「キスでもするつもりでしたかィ?」

「ちがっ!」



ふーんって言いながらニヤッとした。
その後、チュッと音を立ててキスをした。



「好きでさァ。卒業なんて関係ねぇだろィ?」



またサラッと言う。
「卒業なんて関係ない」って言葉さえ。
彼の笑顔と言葉に安心して、勝手に涙が流れた。
何泣いてるんでィ、って笑いながら彼は長いキスを何度もしてくれた。












ずっと二人で…
(こうしてればいいんでさァ)










END
080211

企画:バイバイサンキュー様へ


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