太陽の華

□rain rain…
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「あき様、申し訳ありません」



私に回された腕を戻し、申し訳なさそうにコハクが頭を下げる

それを見て私は首を横に振った



「コハクが今言ってしまえば私の為にはならなかった

私はいつだって自分で自分の答えを探さなきゃならないんだよね?

そんなことも忘れていた

だから頭を上げて

気にしないでいいよ」


「…はい」



ゆっくりとコハクは頭を上げる

すると足音が聞こえてきた



「あきちゃん、落ち着いた?」


「ソラ兄…」



ソラがお盆を持ちながらベッドの脇にきた



「コハク、ありがとう」


「いえ

僕はなにも」



「ふふっ

あきちゃん

おじやとお茶持ってきたよ

食べれる?」



「うん…」



私は膝を伸ばすと、そこにお盆を乗せた



「安定感悪いね…

テーブルまで行ける?」



「うん」



私が肯定すると、ソラがお盆を持ち上げ、コハクが私をエスコートするように立たせてくれた

そして少しふかっとする一人がけのソファーに私は座った

目の前のテーブルに置かれたお盆の上のおじやをレンゲで掬う

それをゆっくりとした手つきで口に運んだ

…おいしい

すごく…

懐かしい味がする

ユカリにも食べさせてあげたいなと思うと、またちょっと泣けた













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