太陽の華

□rain rain…
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私が事態を把握するまでゆうに10秒はかかった

コハクは私に抱きついていた

まだ私より小さい彼なのに、優しく頭を撫でて、私を包んでくれている



「あき様、僕はユカリ様とあき様の出会いは知りません

ですのであき様のゆうような信じてやチャンスはわかりかねます

しかし、僕はあき様が誰よりも素敵な方だと知っております

それはシアン様、セピア様、ソラ様も承知しております

もちろん、ユカリ様も」



「で…

でもねっ…

ユカリ…が

私はいらなっ…

いらないって…」



私がまた言葉を吐くと、コハクは相づちをうちながら終わるまで聞いてくれた

その後、冷静な声が私に降ってきた



「あれは果たしてユカリ様の本心なのでしょうか?」


「…え?」


「僕は感情を読まないと殺されるかもしれないという環境で育ってきました

なので感情にだけは聡いはずです

その僕にはあの言葉がユカリ様の本心には見えませんでした」



「ど…いう?」



どういう意味なのだろう



「たとえ感情があまり表に出ない方でも、感情はありますよ」


「え?」


「あの時、出て行くと決意したのはユカリ様のもう一つの人格です

確か…」



「メッシ?」


「そうです

メッシ様

彼の方が感情が顔に出るタイプのようですね

恐らく、彼は…」




そう言うとコハクは口をつぐんだ



「コハク?」


「彼の気持ちは言わないでおきましょう

彼の気持ちはあなたが気づかなきゃならないと思います

それをどう解釈するかはあき様の自由ですが…」




申し訳なさそうにあきが言う

気づいたら私の涙は止まっていた













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