太陽の華

□rain rain…
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夢だったらどんなに良かっただろう

違う

あれは現実だ

どうして…?



「どうして…?

ユカリ…

どうしてよ…」



また視界が歪んだ

膝を抱えながら堪えきれなかった嗚咽を漏らすと、私にかかっていたブランケットが色を変えていった



「あき様…

泣かないでください

僕まで悲しくなってしまいます…」



「あきちゃん…」



2人は私の背中を優しくさする

しかし私の涙は止まってくれるどころか、流れを増していく一方だった



「コハク、ちょっとあきちゃんを頼むよ

おじやと飲み物持ってくる」



「はい

かしこまりました」




大きな方の手が私から離れる

きっとソラのだろう

だけど私は止めることも声をかけることもできなかった

離れて欲しくなかったのに



「あき様…

そんなに泣くと目が腫れてしまいますよ」



「い…

いな…っ」


「あき様?」


「いない…の

ユカっ…が…

信じ…てっ

くっ

くれてた

ハズな…に

チャンスを…っ

くれ…た

ハズ…のにっ」



嗚咽混じりの私の声は果たして届いているのだろうか

コハクはつたない私の言葉を黙って聞いてくれている



「どうして…?

どうして?

どうしてよぉ…」


「あき様、失礼致します」



その直後に私が感じたのは、優しい暖かみだった













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