太陽の華

□rain rain…
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「あき様…!

気がつきましたか?」



「コ…ハク?」



呂律の回らない舌で彼の名前を呟くと、コハクはホッとしたように笑った



「良かったです…」


「あきちゃん、目が覚めたって!?」



いつもは冷静なのに、何故かあわてた様子でソラが飛んできた

私がソラに目線を移すと、彼はふにゃっと破顔した



「良かった…

本当に良かった」




私が起き上がろうとすると、ソラとコハクが手伝ってくれた

ああ…

なんでこんなにダルいんだろう?

とても悪い夢を見ていた気がする

何だったっけ?

私はふと自分の両サイドに目を落とす

あれ?

いつも私と一緒に寝てるあの子は?

私より先に起きるなんて珍しいな…

いつも私の方が早いのに



「ソラ兄…

コハク…」


「大丈夫?

おじや作ったんだけど、食べれる?」



「あ〜…

うん

じゃなくてさ、ちょっと聞きたいんだけど…

ユカリちゃんはどこ行ったの?」



ピシリ



2人が固まった

え?

どうしたの?

黙っていちゃわからないよ?



「あき様…

あの、覚えていらっしゃらないのですか?」




コハクが悲しいような、辛いような、なんとも複雑な顔をした



「何が?」


「ユカリは…

いないよ」




え?

あれ?

突然鮮明すぎるくらい鮮やかに私の脳裏をよぎったのはジムでのユカリ

あれは…夢だったんじゃ…?



「夢…

夢じゃなかったの?」



掠れた声でユカリがいたはずの隣に手を這わせた













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