short story

□通暁
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「じゃぁ見して」


「お願いします」



私は直角に身体を折ってケータイを差し出した

するとセピアはケータイをいじりだした



「う〜ん

まず、電池がもうないな

それを充電させて…

充電器ってある?」



「ない…」



元の世界のベッド脇にあります

持ってきてはないです

ああ…

かばんに入れとけば良かった…



「じゃぁ充電器は作ろう」


「作るの!?」


「ハハッ

当たり前じゃん

ケータイなんてここにないのに、どうやってケータイの充電器を見つけんのさ」



「…そうだね」



楽しそうに笑ったセピア

確かにポケモンの世界はケータイなんてない

あるのはポケギアとか、ポケナビとか

だけどいとも簡単に結論づけたセピアに私は若干ひいた…かも

いや、すごいよ?

すごいけど…

お前すごすぎるだろ!



「作れるの?」


「うん」



そしてしれっと言ってのけたセピアは一度立ち上がり、部屋からあるものを持って再び私の前に現れた

それは自分でカスタマイズをした工具箱

緑色のそれを開くと中からはドライバーやらはんだやらが入っていた



「ちょっと分解するぞ?」


「どうぞどうぞどうぞ」



私の理解できる範囲を完全に越えている…

よく見ると、セピアの眼はキラキラと輝いており、器用にケータイを分解している

まるでボールペンを分解するかのように手際よく…

あれ?

なんかセピアは自分だけの世界?

いやいやいや

お話しようよ!













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カスタマイズ