short story

□通暁
2ページ/7ページ




「お願い!

ちょっと!

ちょっとでいいんです!

決して手間は取らせません!」


「キャッチセールス?

ハハッ

それがもうすでに手間だけどね」



「うわぁぁぁぁああ!」



しまった!

やっちまった…

しかし、ここで引くあきちゃんじゃないんで!



「お願い!

最初の頃は電波が繋がってたみたいで、時間とかは見れたの!」


「もう、勝手に症状を語り始めたな」


「でも今は見れない!

メール、電話はできなくても、時間くらいはケータイで見たい!!」



頼む!

と私は手を顔の前で合わせた



「この通り!」


「えぇ〜

全くどの通りかわからないけどな」



「お願い!

ポケナビとかポケッチとかじゃなくてケータイがいいの!

つか高くて買えないからケータイがいいの!

頼む!」


「ハハッ

本音でた」




少し悩む素振りを笑顔ですると、その笑顔のままセピアは爆弾を投下した



「いいよ

ご主人が俺の言うこと1つ聞いてくれるならね」



「…は?」



おいおい…

その胡散臭いくらい爽やかな笑顔で何を命じるつもりなんだ君は…



「あ、嫌なら俺は一向に構わないぞ?

俺の手間がかからなくなるってだけの話だから」



「くっ…!」



ニヤニヤしやがって…!

お前なんかニコ厨になってしまえ!

パソコンの前でニコニコしてろ!

あ、元からいつもニコニコしてた

…じゃなくて!



「うう…」


「さぁどうする?」



くそぅ…

背に腹はかえられないとはこのことか!

身をもって体感することとなるとは…



「しょうがない…

1つだけだよ?」


「もちろん!」



そう言ったセピアは…

何を考えてるか全くわからないくらいの満面の笑みを浮かべてました














.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ