太陽の華

□lonely lonely caterpillar
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「シアン…

あの場所覚えてる?」


「ああ…」


「何?

心当たりでもあんの?」



「ちょっとね

キャタピーくんはじゃぁ、私が運ぶよ」


『ふぇ?』


「いっぱい動くからね」



とかいってみたけど、本当はキャタピーという種族は足が遅いから

うん

ポケパークとかやったことある人ならわかると思うけど、びっくりしたよ

…遅すぎて



「よっと…

え?

わっ」


『…』



私がキャタピーを抱き上げると、腕の中にユカリが割り込んできた



「ちょ…

ユカリちゃん」


『…』


「ハハッ

ここは俺のポジションだぁ!

とるな!

って感じかな?」



「ああ…

かもね」



しょうがない

私の腕にはキャタピーくんとユカリがいるけど、これで動くことにした

…私は肝っ玉かあさんか

そんな私にシアンは意味ありげに視線をよこした



「…バッグかせ」


「え?」


「いいからかせ」


「どうぞどうぞどうぞ」



ドードリオクラブか

あ、ちょうど三人だし、ピッタリだ

…なんだこの無駄な満足感

なんて思いつつ、私の首からショルダーのストラップを外す

するとシアンはそれを自分の肩にかけた



「え?」


「さっさと行くぞ」



そういいながら森の中を先導し始めた

そこで初めて私は理解した

荷物持ちしてくれたのね

すると私の隣にいたセピアがクスッと笑い、耳打ちしてきた



「素直じゃないね」


「全くだ…」



二人でシアンのあとを追いかけた時に偶然見えた彼の耳は、ほんのり赤かった













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