太陽の華

□lonely lonely caterpillar
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たたみ終わったテント

そして食器などをコンパクトにまとめるとショルダーバッグについているTのボタンを押して収納した



「よし、準備完了!

みんなお疲れ様」


「ご主人もな」


「ふんっ」



私はそんな二人にクスッと笑うと、キャタピーくんの方へと振り返った



「そうだ、キャタピーくんに聞きたいことがあるの

キャタピーくんはどこではぐれたの?」


『わ…

わかんない』



フルフルと震えながら弱々しくそう答えた

そうか

まだ小さいもんね

別の質問してみるか



「じゃぁいつからみんないなくなってた?

お兄ちゃんやお母さんとはどこに行く予定だったの?」


『…わかんない』


「…」


「まさかのノーヒント!?」


『ごごごごめんなさいぃぃい!』



わぁわぁとキャタピーくんはまた泣き出してしまった



「あぁ…

だ、大丈夫大丈夫

泣かないで?」



そうはいいつつもノーヒントで探すのはツラい

まさかの迷子の子猫ちゃん状態

シアンは呆れ顔で、セピアの笑顔は固まっている

ユカリはよくわからないのか、普段と同じ

そこで紺野家緊急臨時集会を始めた

…まぁ、キャタピーくん以外のメンツで円になってるだけだけど



「ちょ…

これどうする?」


「困ったなぁ」


「笑顔のままそんなこと言っても全く困ったように見えねぇよ」


「ハハッ

これでも困ってるんだけどな

シアンの目は節穴みたいだね」



「…んだと」


「こ〜ら

やめなさいな」


『…』


「でも本当に困ったなぁ…

せめてなにか手がかりでもあればなぁ…」



私は空を仰いだ

あ、森の中だから空見えねぇや



「バカだろお前」


「ハハッ

ご主人は木を仰いでたんだよな?」



「うるさいなぁ!

ほっとけ!」


『あ…

あの…』



そんな私たちにキャタピーくんがたどたどしく声をかけてきた



「ん?

どうしたの?」


『おっきなスピアーの巣から…

スピアーが出てきて…

お母さんと兄ちゃんが戦ってて…

別の兄ちゃんと逃げてたらまたスピアーが追っかけてきて…

気づいたら一人だったの』



それを聞いて私は固まった



「…あれ?

なんでだろ?

途中デジャヴ?」


「…」



そしておそらく同じ事を思った人物ももう一名















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