太陽の華

□lonely lonely caterpillar
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『ぼ…

僕』



ポツリとキャタピーくんは口を開いた



『僕、お母さんと兄ちゃんたちとはぐれちゃって…』


「迷子ったか〜」


『うぅ…

ぐすっ』


「ああっ!

泣かないで!」


「男だろうが

泣くな」



「ちょ…シアン!」


『は…

はぐれたの初めてで…

いつもはみんな…

ぐすっ

いたから大丈夫だったけどっ…

ぐすっ

今は誰もいなくてっ…』


「うん」


『いつもの森のハズなのに…

恐いよっ…!

ここどこ…?!』



声を上げて本格的に泣き始めたキャタピーくん

私はシアンの膝から立ち上がり、しゃがみ込むとその頭を優しく撫でてあげた

もちろん、いもむしだと思うと触る抵抗はあったけど

なんか小さい子みたいで随分と愛おしい感じがしたから

大きく潤んだクリクリおめめが私を捉える



「お母さんとお兄ちゃん一緒に探そう?

きっと心配しているから」


『ほん…と?』


「おい、いいのか?」


「だってほっとく訳にはいかないでしょ?」


「ご主人は優しいなぁ」


『…』


「じゃぁ、キャタピーくんの家族を探すよ〜

いいね?」



みんなが一度だけ頷くのを見ると、私はニコッと笑った



「そうと決まったらシアンとセピアはテントを畳んで

ユカリちゃんはキャタピーくんと一緒に

私は食器片付けるから」



私たちはそれぞれ動き出した

おお…

初めて私が指揮とって、それが行動に移された気がする

やったね!

わっほ〜い

ハハッ

軽くへこんだ













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