太陽の華

□lonely lonely caterpillar
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「キャタピーくん

そろそろ教えて?

なんでそんなにビクビクしてるの?」


『ふぇ…』



朝食のあと、私が話しかけるとまたキャタピーくんは肩を震わせた



「ハハッ

ご主人めちゃくちゃ恐がられてるな!」



「オイ、お前1人か?」


『ヒッ!』


「シアンもな

人相悪いんじゃない?」



「黙れバカ犬」


「お前ら落ち着け」



わかったよ

私は理解したんだ

二人は犬猿の仲ならぬ、犬うさの仲なんだ

そういうもんなんだという事で、腹くくるしかない



「ハハッ

キャタピーくんだっけ?

大丈夫だよ

ご主人は危害を加えないから」



「わっ」



セピアは私を自分の膝の上に乗せた

グラッときて慌ててセピアの肩に腕を回して掴むと、ニコリと爽やかに笑う黒み帯びた褐色の双眼と目が合った

私より小さい男の子の膝に乗るのってなんかアレだけど…

腰に回された腕の力が強くて抜け出せる気がしない



「ほら、安全安心!

か弱い可愛い女の子だからね」



「か…か弱いって…」



弱いけど…

確かにメンタルもフィジカルも弱いけどっ!

こんなにあっさりと言われるとなんか切ないぜ



「オイコラ

手を離せ」




あ…

背筋が寒くなってきた



「だってさ、ご主人」


「ちょ…

ならガタガタ動くの止めて!

ってかセピアにも言ってるから!

責任を私1人に押しつけないで!」



セピアは自分の足ごと私を横に動かしている為、私はセピアにしがみつくしかない

当の本人はニコニコしてやがる

おのれ、わざとか!



「アンバランスなんだよ」


「ふぇ?」



フワリと私は浮遊感を感じた

気づいたら私はセピアから解放され、何故か今度はシアンの膝に乗っていた



「えぇ!?」


「シアン独占欲つy…ぐはっ」


「黙れ」



シアンは手元にあったしゃもじをセピアの顔に命中させた



「シアンがこういうことするのって珍しいね」


「たっ…

たまには…な」




私より大きい男の人のシャツを軽く握りながら上を向くと、シアンの顔は赤く、眼は少しだけ泳いでいた















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