太陽の華

□lonely lonely caterpillar
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「こんな所でどうしたの?

…つかここ森の中だから余裕で君たちの生息地か」


『う…あ』



私が1人ツッコミをしている間も、キャタピーくんの震えは止まらなかった

できればつっこんで欲しかったが…

しょうがない!



「ん?

どうしたの?

おなか空いた?」


『こっ…

こないでぇ…』



私が一歩前に踏み出せば、キャタピーくんが弱々しい声で身を固くした



「あ、もしかして私のこと怖い?

まぁ、そりゃそうか…

君と比べたら私もずいぶんでかいからね」



私はしゃがみこんでキャタピーくんに笑いかけた

キャタピーくんは一瞬ビクッと身を震わせたけど、その大きく潤んだ眼はしっかりと私を捉えていた

その刹那



ぐぅ〜



ユカリのおなかの音を私は捉えた



「おなか空いたね〜」


『…』



コクリと頷くユカリに私は笑った

私が再びキャタピーくんに向き直ると、彼はビクッと肩を震わせた



「キャタピーくんも食べてく?」


『え…あ』


「遠慮しないで?

食欲は三大欲求のうちの一つだよ?

ちゃんと食べないと、大きなバタフリーになれないよ〜」



そう言いながら私は立ち上がると、ショルダーバッグから缶やらいろいろを取り出した

するとビクビクしながらも、キャタピーくんは話しかけてきた



『あのっ…』


「ん?

なぁに?」


『こっ…

言葉が通じて…る?』


「うん

通じてるよ」



少し困惑した表情のキャタピーくんに私は笑いかけた



『どうして?』


「…体質?」



ってことにしておこうか



「悪タイプ用のポケモンフーズだけど、ユカリちゃんが食べてたから多分大丈夫」



そう言いながら私はキャタピーくんの前にポケモンフーズの乗った皿を置いた



「ほらシアンとセピア!

早くでてこないとユカリちゃんが全部食べちゃうよ」



すると二人は我先にとテントから飛び出してきた



「ユカリに食われるとかシャレになんねぇよ…」


「ハハッ

ある意味、食事が一番サバイバルだからな」



「今日はキャタピーくんがご一緒しまするよ

ささっ

食べて食べて!」


「しまするってなんだよ…」



おお

シアンがいるとつっこんでもらえる

なんか嬉しい

そうして私たちが朝食を食べ始めてからしばらくすると、キャタピーくんも恐る恐るポケモンフーズを口に運んだのが私の目に入った













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