太陽の華

□eyes
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私たちのそばでなる地鳴りの音

多分、このポケ賊たちは塾帰りくんを狙ってるんだ

そっと茂みから覗くと、彼らの身体には濃い紫色の布が見えた



「ねぇ」



私はこそっとシアンに話しかけた



「あの紫の布なに?」


「さぁな

仲間意識のなんかか?」



「そういえば、この前、ブランドメーカーのトラック襲ったみたいだよ」


「そのときのやつか〜」


「みんな付けてたしな」


「よく見えたね」


「ったりめぇだ」



顔を背けながら言うシアンの耳はほんのり赤く染まっていた

ほどなくしてポケ賊の群れが私たちの眼前から消えた

見つからなくてよかった



「通り過ぎたね…

あれ?」



私は首を捻る

私の視線の先には、ポケ賊を慌てて追いかけるように走る

そして、カントーにはいないはずのポケモンがいた



「あれは…

ナックラー?」



小さなオレンジの身体を目一杯使って走るナックラーくん

しかし、あまり速く進まない

というか、ぶっちゃけ、遅い

一応、紫色の布をつけているが、すごくくすんでいる



「話しかけてみよう」


「馬鹿か

なんでだよ」



「ポケ賊がなんで人を襲うかわかるかもよ

他の子は話聞いてくれなさそうだし…」



つか、私がちょっとチキンなだけ

いや、あれは怖いって!

話しかけらんないって!



「とにかく、いくよ」


「あ、おい!」



シアンの制止を聞かずに茂みから飛び出すと、彼の舌打ちが聞こえた













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