太陽の華

□you were my dearest one
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私たちは川沿いを歩いて手がかりを探した



「ランターンさん、弟さんは何人くらい?」


『…』



じっと私をランターンさんは見る

な…なんだろう



『あ、すいません

“何人”って言ったからちょっとびっくりして』


「え?」


『普通、ポケモンは何匹と数えるのが一般的でしょう?』


「あ、そっか」



完全に無意識だった

ってかジョーイさんにもそんなこと言われたなぁ…

そう思ってるとランターンさんはクスッと笑った



『二人です

三人兄弟で、弟が二人』


「三人とも男なんですか」


『そうですね

大変ですよ?

手が掛かって…

やんちゃで、言うこと聞かなくて、喧嘩ばっかりしていて…』



ランターンさんは笑っていたけど、顔には悲しみを帯びていた



『でも優しい子たちです』


「うん

そうでしょうね」



私が笑うと、ランターンさんはこっちを見た



「だってこんな優しいお兄ちゃんがついていたんだもん

優しい子たちに決まってますよ」



ランターンさんは一瞬ポカーンとしていたが、すぐにまたクスクスと笑った



『なんか不思議な方ですね』


「え…

私がですか?」


「お前以外に誰がいんだよ」


「シアン」


「はっ倒すぞ」


「ごめんなさい」



直角に腰を折り、私は即座に謝った



『フフッ

本当、君たちは面白いですね』


「そ…そうですか?」


「なに嬉しそうにしてんだよ」


「つまんないと言われるよりかはいいでしょ?」


『クスクス

あ、敬語なしでいいですよ?』


「いいんですか?

じゃなくて、いいの?」


『はい

その方が話しやすいでしょ?』


「わかった!

じゃぁタメ口で話すね?

あ、ランターンさんもタメ口でいいよ」


『フフッ

わかったわかった

普通に話すよ』



ニコリと笑ったランターンさんと、少しだけ心の距離が近づいた気がした













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