太陽の華

□the dawn of departure
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「いや〜

はっは

昨日は何事かと思ったの〜」


「す…

すいません

寝ぼけました」


『やっぱり寝ぼけてたのか』



博士にバレないように隣にいたシアンを足で小突く

苦しいけど、昨日駆けつけた博士たちに訳を聞かれたときに、とっさに思いついた言い訳だよ!



「まだ朝早いが、夜明けと共に出発したいと言った君の希望通りじゃ

その前に、プレゼントがある」


「へ?」


「これじゃ」



そう言って部下のおじさんが後ろから大きな包み紙を渡してくれた



「これは?」


「ワシらからのささやかなプレゼントじゃ

その格好では旅もしづらいだろうからの〜」



私は確かにまだ制服のまま

ワイシャツの左腕は包帯に使ってないから、ブレザーを着てごまかしている

まぁ、ブレザーにも穴は開いてるけど

私は包み紙を開けた



「わぁ…!」



そこには黒いタンクトップにパーカー、ロングパンツが入っていた



「これは私たちからです」



そう言って違う部下さんが紙製の箱を渡してくれた



「ブーツまで?」


「あとはバッグがあれば充分じゃろ」



オーキド博士がそう言うと、ショルダーバッグを手渡してくれた

いやいやいやいや



「こんなにたくさんいただけません!」



するとオーキド博士が笑った



「いいんじゃよ

孫が一人増えたようで昨日は楽しかった

さ、着替えてきなさい」


「ほ…

本当にいいんですか?」


「ああ

いいんじゃよ」


「ありがとうございます!」



私は深々と頭を下げると、着替えてに部屋へ戻った

一日しか泊まっていないのに、とても暖かくて、ここに前からずっといたような安心感がなぜかあった













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