太陽の華

□dispair of reality
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「ひ…ひどいっ

シアン、私に懐いてくれたんじゃないの!?」


『まだ会ったばっかなのにいきなり懐くはねぇよ』


「うっ…

ん?

あれ?

ブラッキーって懐き進化じゃ…」



ピクッとシアンの肩が跳ねる

それと同時にせわしなく耳が動く



『ね…』


「ね?」


『ねぇよ、馬鹿!』



そういってズンズンと先を歩くシアン

なんだお前

ツンデレなのか!?

まだ耳がピコピコと動く



「ふっふー

待ってよ〜」


『キモい

うぜぇ』




ぐっ…

負けるかっ!



「出口こっちなの?」


『あ?

知らねぇ』



「え…?

それ大丈夫?」


『でもこっちな気がする』


「野生の勘ならぬ、ポケモンの勘ですかい?」


『うぜぇ』


「ひどい…」



そういうと、シアンはチラッと私の左腕を見た

今は血が止まり、穴の開いたワイシャツの左袖を切って包帯代わりに使ってる



『早く医者に診せねぇと…』



ボソッと呟いた彼の言葉は耳に届かなかったふりをした

嬉しくてにやけたけど













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