短編

□Lights of Romance
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赤いフェラーリの助手席に乗せた恭弥が右、左とナビをする。通り過ぎる街はクリスマスのイルミネーションで飾られていてとても綺麗だ。
しかし車内に飾られた写真がロマーリオだとは…なんと色気のない。

「しっかし日本人て気が早いよなー」
「何が?」
「だって11月が始まった途端クリスマス一色だろ?」
「それは玩具業界とかケーキ屋だけだよ」
「そうか?」
「それに良いことも…あ、そこ右」

ハンドルを右に切って十字路を曲がる。一体恭弥はどこに行きたいんだ?まぁ聞いても教えてくれないだろうから聞かないけど。

「前に来たときはまだハロウィンだったのになー」


それは独り言のつもりだったが、隣から返事が来た。

「…1ヶ月、経ったんだよ」

窓枠に肘をのせて頬杖を付いたままぶっきらぼうに告げられた言葉。寂しかった、ということか。

「ごめんな」

ちゅ、と頬にキスを落とすと、前見て!と真っ赤になって怒られた。本当に可愛いなぁ、もう。
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