短編

□ぼくのパパとママ
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* ディーノ目線 *




久々に日本に来て、本当は恭弥にべったりで過ごそうと思っていたけどさすがに子供の前では…。
がっかりしてないといえば嘘になるけど、なんだか家族になったみたいで楽しいのも本当だった。

「ディーノ兄、日本のピザもおいしいでしょ?」
「あぁ、でも俺の町の職人には敵わねぇぜ」
「へぇー」
「でも1番は恭弥が作ってくれたやつだな!」
「恭兄は料理じょうずなの?」
「おう、とびっきりだぜ」

フゥ太の横で恭弥が少し嬉しそうな顔をした。俺にしかわからないくらいに少しだけ。

「僕も恭兄が作った料理食べたい!」
「え…」

恭弥はフゥ太に弱いらしい。
俺が頼んだときは即答で『めんどくさい』って言われたのに…あぁ悲しくなってきた。


「だめ…?」
「…夕飯、何がいい?」
「やったぁ!僕ハンバーグがいい!」

恭弥は意外と子供を甘やかすタイプかな、なんて思いながら、久々の恋人の手料理が食べられることが俺も楽しみだった。

「ハンバーグが好きなのかい?」
「うん!恭兄もそうでしょ?」
「そうだけど…なんで知ってるの?」
「えへへ、僕のランキングは滅多に外れないんだよ!」
「へぇ…」

2人の様子がまるで母と子のようで微笑ましい。
この2人が家族なら喜んで父親になろう、と思った。
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