短編
□We Love Us
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「恭弥、そろそろ学校行かないと。片付けは俺がやるから」
「ん、皿割らないでね」
「まかせとけ!」
「そう言って何枚割ったの」
「い、いいから早く用意しないと!」
どこにでもあるような朝の場面。
知らない人が見たら、誰もマフィアのボスと不良中学生だとは思わないだろう。
「いってらっしゃい」
「うん」
「あ、待った」
「何、ディーノ?もう行くんだけど」
振り返った恭弥の前髪を掻き揚げて額にキスをひとつ。
「・・・っ!」
みるみる赤くなっていく恋人は本当に可愛い。
「いってらっしゃい」
「っ、いってくるっ」
恥ずかしがって飛び出していった恭弥を見送って、俺はキッチンに戻った。
何ともいえない幸福感に、頬が緩むのをこらえられなかった。