長編

□ひとめぼれ
2ページ/4ページ

「ただいまー」
「お帰りなさい10代目!…っと、誰だお前?」

店から飛び出してきた獄寺が綱吉の後ろに立つディーノを睨みつけた。

「ご、獄寺くん!俺この人に送ってもらったんだ、だからせめてお礼に夕食でもと思って…」
「こいつが10代目を?」
「うん、だからかまどに火入れてきて?」
「わかりました!」

そう言うと獄寺は素早く店の中に消えていった。

「す、すみません!彼、悪気はないんです!…多分」
「はは、気にしてねぇよ。面白ぇやつだな」
「あはは…あ、どうぞ入ってください」
「ん、じゃあ邪魔するぜ」

綱吉とディーノは、すでに閉店したボンゴレへと入っていった。


* * *
 


「あーうまかった!」

食事を終えたボンゴレのダイニングにディーノの声が響く。

「ホントですか?」
「あぁ、うちのメシよりよっぽどうまいぜ!」
「はは、これ姉さんが作ってくれたんです」
「姉さんって、あの恐いって言ってた人か?」

綱吉は帰りの馬車の中でディーノに雲雀のことを話していた。

「へぇ…じゃあ料理のお礼でも言ってくるかな」
「あ……気をつけてくださいね」

綱吉の言葉に首を傾げながら、ディーノは雲雀のいるキッチンへ向かった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ