長編
□ひとめぼれ
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「ただいまー」
「お帰りなさい10代目!…っと、誰だお前?」
店から飛び出してきた獄寺が綱吉の後ろに立つディーノを睨みつけた。
「ご、獄寺くん!俺この人に送ってもらったんだ、だからせめてお礼に夕食でもと思って…」
「こいつが10代目を?」
「うん、だからかまどに火入れてきて?」
「わかりました!」
そう言うと獄寺は素早く店の中に消えていった。
「す、すみません!彼、悪気はないんです!…多分」
「はは、気にしてねぇよ。面白ぇやつだな」
「あはは…あ、どうぞ入ってください」
「ん、じゃあ邪魔するぜ」
綱吉とディーノは、すでに閉店したボンゴレへと入っていった。
* * *
「あーうまかった!」
食事を終えたボンゴレのダイニングにディーノの声が響く。
「ホントですか?」
「あぁ、うちのメシよりよっぽどうまいぜ!」
「はは、これ姉さんが作ってくれたんです」
「姉さんって、あの恐いって言ってた人か?」
綱吉は帰りの馬車の中でディーノに雲雀のことを話していた。
「へぇ…じゃあ料理のお礼でも言ってくるかな」
「あ……気をつけてくださいね」
綱吉の言葉に首を傾げながら、ディーノは雲雀のいるキッチンへ向かった。