短編

□Lights of Romance
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久々に日本に来たら季節はすっかり冬に移っていた。吐いた息は白くて、もう少し厚着をすれば良かったかなと思う。
車から降りて応接室に向かう間にも体はどんどん冷えていく。それでももうすぐ恋人に会えると思うとあまり寒さは気にならなかった。

「恭弥ぁーただいま!」

1ヶ月振りの応接室は暖房が効いていて、抱きしめた恋人の体は暖かかった。冷たいよ、なんて言われたけど恭弥の腕は俺のジャケットをしっかり掴んでいた。

それからしばらく俺達はべったりとくっついたまま、久々の逢瀬を過ごしていたのだ、が。

「ちょっと」
「ん?」
「離して」
「えぇっ!?」

さっきまで甘い雰囲気だったのに…。
恭弥は俺を引きはがして帰る準備を始めた。


「行きたいところあるから、車出して」
「え?どこだよ?」
「いいから行くよ」

運転するのは俺なのに、と呟いたが置いて行かれそうになったので慌てて後を追った。
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