短編

□鯉のぼりよりケーキ
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「おかえり恭弥!」

「…あなた人の家で何やってんの?」



僕が買い物から家に帰ると鍵が開いていた。

泥棒だったらいい度胸だとか思ったのに、警戒して入ったリビングには金髪の外人。

…確かに怪しいシチュエーションだが、それが知り合いなら話は別だ。

「なんで勝手に入ってこんなことしてるの?」

目の前のテーブルには刺身の盛り合わせやらケーキやら(僕の好きなハンバーグも)が並んでいた。
「ツナが今日はこどもの日だって教えてくれてさ」

「だからって…」

続きを言いかけて口をつぐんだ。



こどもの日…?



思い出した。

今日は僕の誕生日だ。

でも僕の誕生日なんて親くらいしか知らないはずだ。

でもマフィアのボスだったらそのくらい調べられるんだろうか。



という僕の疑問はすぐに解決された。



「あ、いや、別にお前を子供扱いしてる訳じゃねぇからな!」



…どうやらこどもの日と僕の誕生日が同じだとは思っていないらしい。

じゃあこのテーブルの上はなんなんだ。

僕の知っているこどもの日は鯉のぼりと柏餅くらいのはずだけど。
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