短編
□2こを3こに
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とある廃墟にて、眼帯をした少女がニット帽の少年に珍しく頼み事をしていた。
「あの、千種、おこづかい100円欲しいんだけど…」
それに反応したのは髪の毛を逆立てた違う少年だった。
「なぬっ!?お前にやるこづかいなんかないびょん!」
千種は飛び出してきた少年を退けて、財布から100円玉を1枚取り出した。
「ちょっと犬、うるさいよ。はいクローム」
「…ありがとう」
「なっ!?柿ピーこいつにあまくねー!?俺には昨日くれなかったのに!」
「犬は無駄遣いするからね」
「んあーこのもっさメガネ!!」
「…」
男2人が言い合いを続ける中、クロームはそっと廃墟を出た。