小小説

□雪
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雪が降ると


あなたの眉はいつもより切なげに歪む…


風邪をひくと言っても


もう少しだけと空を見上げる


肩に降る雪が


溶けようともせずに


融けようともせずに


解けようともせずに


積もってゆく


あなたはまだ何かを背負うの?


いつか重みで立っていられなくなる


あの赤で雪を染めたのか


それとも雪があの赤にとけ込んだのか


椿のように落ちた命を思うあなたの中に


私はいないのでしょうか…
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