Love to...

□Y
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ス「…きろ……アリス…。」

「ん?お父さん。」

ス「もうじき朝ご飯になる。」

「私、結局ここで寝ちゃったんだ…おはよう。」

ス「あぁ、おはよう。」

「アレンも、おはよう。」

『おはようございます。』

「そういえばね、すっごい懐かしい夢見たよ。」

ス「懐かしい夢?」

「うん。私がお父さんを“お父さん”って呼ぶようになった時のこと。」

『少し、気になりますね。』

「じゃあ、今から話してあげる!」

『ありがとうございます。』



***



ホグワーツに入学するようになるまで、アリスはマグルの幼稚園・小学校に通っていた。
もちろん、ホグワーツから。
ダンブルドアが日本の文化に興味を持っていた為、日本に家を買い、毎日煙突飛行を使って“ホグワーツ→(煙突飛行)→日本の家→(徒歩)→幼稚園・小学校”という風にして通っていた。
ちなみに、家は幼稚園の目の前だった為、一人でも通えた。


ーある日の幼稚園帰りー


「おじいちゃん!」

ダンブルドア「おぉ、アリスか。おかえり。今日の幼稚園はどうだったかの?」

「ただいま!今日はね、みんなでお絵描きをして遊んだのっ。」


そう言ってアリスはダンブルドアに紙を渡した。


ダ「これは…ホグワーツかの?」

「うん!空から見た城を描いたの。」

ダ「上手に描けておる。」

「へへっ。先生にもね、褒められたんだよ。」


アリスは得意気にニコニコと笑っている。


「あ、そうだっ!」


何かを思い出したアリスは、肩から斜めにかけている鞄から1枚のプリントを取り出し、ダンブルドアに渡した。


「先生がね“お家の人に渡してね”って言ってたの。」

ダ「ほぉ“父親参観日”か。」

「うん。パパとお顔の絵を書きっこするんだって!」

ダ「そうか。」

「おじいちゃん来てくれる?」

ダ「すまんの…残念じゃが、この日は魔法省へ行かねばならんのじゃ。」

「そっか…」


アリスはシュンとして俯いた。


ダ「そんな悲しむでないぞ。わしのかわりに誰か他の先生を連れて行けばいい。」

「でも、授業は?」

ダ「そんなもの、休みにすればよかろう。」

「やったぁ!じゃあねぇハ」

ダ「おっと、ハグリッドは駄目じゃよ。」

「何で?」

ダ「彼は大きいから、マグルが驚いてしまう。」

「…そっか、じゃあ…」


“コンコン”


スネイプ「失礼します。校長、実は先ほど…「セブルスにするっ!」」

ダ「セブルスなら、歳もちょうどいいじゃろう。よかろう。」

「やった!」

ス「…校長、一体何の話を?」

ダ「とりあえず、これを読みなさい。」


ダンブルドアは先ほどアリスから受け取ったプリントをスネイプに渡した。


ス「はぁ…“父親参観日”ですか?」

ダ「そうじゃ。セブルスにはアリスの父親として行って欲しい。」

ス「しかし、我輩は授業が…」

ダ「休講にすればよかろう。どうじゃ、行ってはくれんかね?」


ダンブルドアに頼まれれば、断るわけにはいかない。


ス「…わかりました。」


渋々、スネイプは頷いた。


ダ「よかったの、アリス。セブルスがアリスのお父さんになってくれるそうじゃ。」

「ありがとう!」

ダ「アリス、みんなの前では“お父さん”じゃよ?」

「うんっ!あっ!!」

ダ「どうしたんじゃ?」

「“パパ”でもいい?」

ス「何故?」

「みんな“お父さん”じゃなくて“パパ”って呼んでたよ。」

ス「…好きにしろ。」

ダ「頼んだぞ、パパ☆」



***



「はじめは“お父さん”じゃなくて“パパ”だったね。」

ス「そういえば、そうだったな。」

「あの時の父親参観で書いた絵、まだ持ってるよ。」

ス「なっ…そんなもの、早く捨てろ!」

「“パパ”絵、下手だったもんね。」

ス「…あれは!」

「アレン、見たい?」

『ぜひ、見せていただきたいです!』

ス「絶対に見せるな!」

『…そんなに酷かったのですか?』

「それは、見てのお楽しみ☆」

ス「い、急がないと朝食に遅れるぞ。」

「へ?あ、うん。アレンも、行こう?」

『はい。』


2人と1匹は、朝食をとる為に大広間に向かった。











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