Love to...
□X
2ページ/6ページ
ドラコはハリーを睨みながら階段を降りていった。
「ちょ、ドラコっ」
何となくこれからすることが頭に浮かんだアリスが止めようとしたが、ドラコはアリスの声など気にせずにハリーに話しかけた。
ド「いい気分だったか?有名人は違うね、本屋に入るだけでトップ記事。」
ジ「ほっといて。」
ジニーがハリーを庇うように前に出た。
ド「おや、ガールフレンドかい?」
ルシウス「こら、ドラコ。失礼をするでない。」
ドラコの後ろから長髪の男…ドラコの父親、ルシウス・マルフォイが現れた。
ル「君がポッター君だね?私はルシウス・マルフォイ、ドラコの父親だ。お見知りおきを。」
ルシウスは笑顔でハリーと握手をした。
「ルシウスさん!」
ル「おや、アリス。どうしてここに?」
ルシウスはハリーをちらりと見ながら言った。
「ハリーたちと買い物に来たんです。」
ル「そうか。友達が沢山いるのはいいことだ。」
「えぇ。」
ル「しかし、君はスリザリン生だ。グリフィンドールの奴らと仲良くする必要はない。そのことだけは覚えておくといい。」
「そうかもしれませんね。でも、私は自分の世界観を広げるためにも色々な人と仲良くなりたいんです。」
ル「…それは立派な考えですな。」
アリスとルシウスが静かに論争をしていると、ルシウスの足元で何かが動いた。
「あら?ドラコには兄弟はいないと思うのですが…。ルシウスさん、その子は?」
ルシウスの後ろに隠れている小さな影を見つけた。
ル「あぁ。同寮のアリスには紹介しておいた方がいいだろう。」
「同寮?」
ル「あぁ。この子はドラコの従兄弟にあたる子でね。今年からスリザリン生になる予定なのだ。」
そう言うと、ドラコはルシウスの後ろから小さな男の子をひっぱり出し、アリスの前に押し出した。
ド「自己紹介をするんだ。」
リーオ「えっと…リーオ・マルフォイです。今年、ホグワーツの1年生になります。よろしくお願いします。」
リーオは恥ずかしいのか顔を真っ赤にして言った。
「アリス・プリンスです。よろしくね、リーオ。」
リーオは顔をさらに赤くして握手をした。
「リーオ、顔真っ赤だけど大丈夫?」
リ「あ、だ大丈夫です。」
ア「みんな、ここで何をしてるんだ?外に出てよう。」
アリスたちを気にしたアーサーが近付いてきた。
ル「おや、父親のご登場だ。」
ア「ルシウス…。」
アーサーとルシウスはアリスを間に挟んで睨み合った。
ル「抜き打ち検査で役所はさぞ忙しいだろう。残業手当は出るのか?」
「ちょ、ルシウスさんっ!」
ル「見た限り、そうとは思えんな。ろくな給料ももらえず“魔法使いの面汚し”と言われてはねぇ。」
ア「何が“面汚し”かはお互い意見が違うようだ。」
「アーサーおじ様もっ…。」
ル「そうだな。マグルと付き合うとは。まだ落ちぶれ足りないようだな。では、また役所で。」
最後にニヤリと笑うと、ルシウスはローブを翻して本屋から出て行った。
ド「また学校で。アリス、学校で会えるのを楽しみにしてるよ。」
初めの言葉はハリーたちに、後の言葉はアリスに向けて言った。
「うん!私も。」
ド「リーオ、行くぞ。」
リ「あ、はい。あの、さようなら!」
「バイバイ!ドラコ、リーオ!」
アリスが手を振ると、2人も小さく振りかえしながら、本屋を出て行った。
手を振り合う3人を、ハリーたちはただ黙って見ていた。
→