Love to...

□W
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―翌日、夜―



理由もない胸騒ぎにスネイプの部屋へ行こうと思ったアリスは、こっそりと寮を抜け出した。


『痛い!足を踏んだわ!』

『ごめん。』


誰もいないはずの廊下から声が聞こえてきた。


「誰…?誰かいるの?」

『…アリス?』

「この声は…ハリーね?」


ハリーを探してキョロキョロしているアリスに、ハーマイオニーがマントをかぶせた。


「ハーマイオニー!それに、ロンにハリー。3人とも、こんな時間に何をしているの?」

ハーマイオニー「シーっ…」

「ぁ、ごめん。」

ハリー「今から“賢者の石”を守りに行くんだ。」

「賢者の石?」

ハリー「うん。ヤツは絶対今日動くはずだ。だから、それより先に僕たちが石を手に入れるんだよ。」

「へぇ〜。頑張ってね。」


そう言ってアリスはマントから出ようとした。


ハ「待って、アリス。」


ハーマイオニーに腕を掴まれてしまった。


「何?」

ハ「あなたも一緒に行くのよ。」

「え、何で?」

ハ「念の為よ。」

「…あぁ、そういうことね。別に先生に言ったりしないよ。」

ハ「でも…ダメよ。」


結局、半ば強引にハーマイオニーに連れて行かれてしまった。


ハ「アロホモラ」


中に入り、マントを脱ぐ。


「これ…寝てるの?」

ハリー「そうみたい。たぶん、スネイプが先に来てハープに魔法をかけたんだ。」

「スネイプ先生がそんなことするわけないよ。」


アリスは反論したが、扉に夢中のハリーたちには聞こえていないようだ。


ハリー「この足がジャマだ。」


3人が犬の足をどけて扉を開くのを、アリスは一歩後ろで見ていた。


ハリー「僕が先に行って合図するからそれまで待ってて。何か起こったら僕に構わず逃げるんだ。」

「ん?」

ロン「アリス、どうしたの?」

「ハープの音が…やんだ?」

ハ「…そうみたいね。」


ロンの頭上から粘着質な液体がおちてきた。


ロ「このベタベタ!」


見上げると、そこには目を覚ましたフラッフィーがいて、ハリー・ロン・ハーマイオニーは叫び声をあげた。
アリスは叫ぶこともできずに、ただ息を飲んだ。


ハリー「飛べ!早く!」


3人より後ろにいたアリスは、飛び込むことができずにひとり慌てていた。


「(どうしよう、どうしよう…あ、そうだ!)」


何かを思いついたアリスは、扉の近くに落ちていた布切れをかぶった。


「(隅っこにいよう…)」


突然消えたアリスを気にすることもなく、フラッフィーは扉の中に向かって吠えていた。











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