Love to...
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フーチ「皆、集まった?」
『はい、フーチ先生。』
中庭でスリザリンとグリフィンドールの生徒が、ホウキを片手に向かい合わせに並んでいた。
フ「では、皆さん。いよいよ飛行訓練です。ボンヤリせずに全員、ホウキの左側に立ちなさい。急いで!」
パンジーとドラコの間でアリスも、ホウキを地面に置き隣に立った。
フ「右手を差し出して“上がれ”と。」
ドラコ「上がれ!」
ドラコは一度で成功し、わかりやすくドヤ顔をしている。
「ドラコすごい!」
ド「こんなの簡単さ。アリスも早くやってみろよ。」
「うん。」
ホウキの上に右手をかざす。
「上がれ!」
アリスがはっきりとした口調で言うと、ホウキはスッと上がりアリスの手に収まった。
「できたっ!」
ド「な、簡単だろ?」
“ガンッ”
2人が話していると、どこからか何かがぶつかる音が聞こえた。
音のした方を見ると、ロンが顔をおさえている。
「大丈夫かな?」
ド「バカだな、あいつ。」
心配しているアリスの隣でドラコは笑っていた。
フ「ホウキをつかんだら、落ちないようにしっかり握って、その上にまたがりなさい。笛で合図したら一斉に地面を強く蹴ること。ホウキはまっすぐに、しばらく浮いて前かがみになって着地する。合図しますよ。3…2…」
“ピーッ”
笛の音と同時にネビルの体が浮いた。
フ「ネビル・ロングボトム!戻りなさい!」
フーチが必死に呼びかけるが、ネビルはどうすることもできずにホウキにしがみついていた。
「えいっ!」
突然、アリスが空に飛びたった。
ド「アリス!?」
ドラコに名前を呼ばれたが、それに構わずアリスはネビルの元へ飛んでいく。
「掴まって!」
空中で必死にホウキにぶら下がっているネビルに手を伸ばすが、ネビルはなかなかホウキから手を放せないでいる。
「早く掴まって!!」
ネビル「でも…」
「早くっ!」
催促してもなかなかアリスの手を掴めないでいたネビルは、ついにホウキに振り落とされた。
ネ「うわぁぁぁ!!!」
「(間に合え!)」
落ちていくネビルを、猛スピードで追いかける。
“パシッ”
地面すれすれのところでネビルの手を掴み、危機一髪地面衝突は免れた。
「よかった…」
しかし、ほっとしたのも束の間。
「うぁっ!」
ホウキを持っていた手が、汗とネビルの重さとで滑り、そのまま2人で地面に落ちてしまった。
“ドシンッ…バキッ…”
フ「皆どいて!」
フーチが、駆け寄ってくる。
フ「あなたたち、大丈夫?」
「あ…ごめんね。」
とりあえず、ネビルに謝り、上から退いた。
フ「手首が折れてる。でも大丈夫よ、立って。」
フーチがネビルを立たせる。
フ「全員、地面から離れず待ってなさい。医務室へ行ってきます。勝手に飛んだら…クィディッチもできずに退学ですよ。それとMs.プリンス、あなたも一緒にいらっしゃい。」
「はい。」
ネビルと共にアリスも医務室へと連れていかれた。
…―医務室―…
「ごめんね。」
ネ「ううん、ありがとう。君が助けてくれなかったら、もっと大ケガしてたかも。」
「そう?」
ネ「君、えっと…」
「アリス・プリンス。アリスでいいよ。」
ネ「アリスは、スリザリンなのに何でグリフィンドールの僕を助けたの?」
「私は、寮なんて関係ないと思うの。」
ネ「スリザリンにもそういう子がいたんだね。」
「まぁね。ところであなたは…ネビルだっけ?」
ネ「うん、ネビル・ロングボトム。よろしく。」
「よろしくね。」
ポンフリー「アリス、フーチ先生から聞きましたよ。あなた随分と無茶をしたんですってね。掠り傷だけで済んでよかったわ。」
「ごめんなさい。」
ポ「もう無茶なことはしてはいけませんよ。」
「はい。」
ポ「わかればよろしい。アリス、あなたはもう寮にお戻りなさい。ネビル、あなたには骨折が治るまで入院してもらいますからね。」
ネ「はい…。」
「じゃあ、またね。ネビル、お大事に。」
ネ「うん。ありがとう。」
ネビルに手を振って、アリスは医務室を出た。
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