Love to...

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翌朝、クィディッチの試合があるにも関わらず談話室でゆったりと寛ぐドラコとパンジーを見かけた。


「今日はクィディッチでしょ?見に行かないの?」

パンジー「行かないわ。」

ドラコ「グリフィンドールとハッフルパフの試合なんてつまらないだろ。」

「そっか。じゃあ、私はちょっと出掛けてくるね。」


自身に防水魔法をかけ、雨の降る中スタジアムへ走っていく。
観客席は赤と黄色で埋め尽くされていた。


「1人は寂しいよねー…でもスリザリンの私がグリフィンドール席に行くわけにもいかないし…。」


ふ、と教師席が目に入った。
しかし、いくら探してもスネイプは見つからない。
寮生同様寮監も今日の試合には興味はないようだ。


「どうしようかな…あ!」


来賓席に座るダンブルドアを見つけた。


「おじいちゃん!」

ダンブルドア「おぉ、アリスか。どうしたのじゃ?」

「試合、一緒に見てもいい?」

ダ「友達はどうしたのじゃ?」

「みんな今日の試合は興味ないから見に行かないって。」

ダ「そうか。ここは来賓席だからのぅ。本来はダメなんじゃが…今日は特別じゃ。ほれ、おいで。」

「ありがとう。」


ダンブルドアのローブの中にスッポリと入る。


ダ「アリスと話すのは久しぶりじゃの。」

「うん、ホグワーツ生になってからあんまり会わなくなっちゃったもんね。」

ダ「寂しくて夜も眠れんよ。」

「じゃあ、たまには会いに行くね。」

ダ「いつでも大歓迎じゃ。」


話しながらも目はハリーを追う。
スニッチを見つけたのか、ハリーは空高くへ急上昇していく。
あいにくの悪天候でハリーの姿はあっという間に見えなくなってしまった。


「ハリー、大丈夫かな…。」


しばらくして、空から赤い塊が落ちてくるのが見えた。


「は、ハリー!!」

ダ「大丈夫じゃよ。アレスト・モメンタム。」


ダンブルドアがとっさにかけた魔法のおかげでハリーは一命を取りとめた。



スタジアムから城への帰り道、アリスはハリーを囲むグリフィンドール生の少し後ろを歩いていた。
気配を感じふ、と木陰を見ると、ハリーを見つめる黒い犬の姿を発見した。


「アレン、あれって…。」

『えぇ、この前の彼でしょうね。』


胸ポケットからアレンがひょっこりと顔を出す。


「“彼”っていうことは…オスだったんだ。」

『はい。』


犬へと近づいて行く。


「あなた、まだホグワーツーココーにいたの?」


どれだけハリーに集中していたのか、声をかけられるまでアリスには気付いていなかったようで、慌ててアリスを見る。
威嚇しているのか、低い声で唸っている。


「私よ、私。ほら、この前チキンあげたでしょ?」


アリスの言葉がわかったのか、犬は唸るのを止めた。


「ここにいると危ないよ、って言ったのに。」


微動だにせずジッと彼女を見る犬を、彼女もまじまじと見つめる。


「よく見たら結構汚いね…よし、洗ってあげるよ。」


触ろうと手を伸ばすアリスから、ゆっくりと一歩ずつ後退る。


「お風呂は嫌い?でもキレイになったらチキンあげるよ。どう?」


“チキン”と聞いて、ゆっくりとアリスに近付いてきた。


「よし、良い子だね。」


この大きさのまま連れ帰るわけにはいかないので、縮小魔法をかける。
杖を向けた瞬間、焦って逃げ出そうとしたが、彼が逃げるよりも早くアリスの魔法が当たった。
アレンと同じくらいの大きさになった彼をローブのポケットに入れ、城へと歩き出した。











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