Love to...

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1人の方はスリザリンカラーのネクタイを、2人組の方はグリフィンドールカラーのネクタイをしている。


「もしかして、これがお父さん?」

ル「そうだよ。」

「こっちの2人は?」

ル「これは…ジェームズ…ハリーの父親と、シリウスだよ。」

「シリウスって、シリウス・ブラック?!」


アリスの問いに、ルーピンは悲しそうに微笑んだ。


ル「そうだよ。」

「睨んでるように見えるけど…昔からグリフィンドールとスリザリンは仲が悪かったんだね。」

ル「あぁ、特にシリウスはスリザリンを嫌ってたよ。」

「私は、寮なんて関係ないと思うんだけどな。」

ル「ブラック家は、代々スリザリンだったからね。」

「あ、純血主義か…。ねぇ、この人は?」


端っこにさり気なく写っている、背が低く、少しふくよかな少年を指差した。


ル「ピーターだよ。世間ではシリウスに殺されたって言われてるんだ。」

「“世間では”?」

ル「ジェームズたちも含め、私はシリウスが友人を手にかけたなんて信じられないよ。」

「リーマスは、シリウスを信用してたんだね。」

ル「私だけじゃないよ。ジェームズとリリーもシリウスを信じてたさ。」

「リリー?」

ル「あぁ、ハリーの母親だよ。ほら、この子。」


ルーピンはアルバムをめくると、赤い髪の少女を指した。


「…え、これジェームズだよね?リリー、すっごく嫌がってるように見えるんだけど。」

ル「…そうだね。」

「ジェームズはストーカーなの?」


この問いに、ルーピンは苦笑いで何も答えなかった。
しばらくルーピンとアルバムを見た後、アリスは大きなあくびをした。


「んー…眠くなっちゃった。」

ル「肩、貸してあげるから寄りかかっていいよ。」

「ありがとう。動き始めたら起こしてね?」

ル「あぁ、もちろん。」


“おやすみ”と呟くと、そのままルーピンに寄りかかり、眠りについた。



―――……。



ハリーたちが入ってきたことにも気付かずに眠っていたアリスは、突然の揺れで目を覚ました。


「んっ…なに…?リーマス?」

ハーマイオニー「アリス、やっと起きたのね。ルーピン先生なら、まだ眠ってるわ。」

「あれ、ハーマイオニー。それにロンとハリーまで。久しぶりだね。」

ロン「あぁ。」

「ねぇ、電車止まってるみたいだけど…もうホグワーツに着いたの?」

ハ「いえ、まだ途中よ。」

「どうして止まってるの?」

ハリー「分かんない。故障かな?」


ふいに車内の電気が消えた。


「て、停電?」


窓側に座っていたロンが外をのぞく。


ロ「外で何か動いてる。」

「な、何かって何?!」

ロ「分かんないよ。」

ハ「何だか、寒くなってきたわね。」

「リーマスはまだ寝てるの?ねぇ、リーマス?」


ルーピンに話しかけるが、返事は帰ってこない。


ロ「誰かが乗り込んでくる。」

「え、こんな中途半端なとこで…一体誰が…。」


ふいに窓が凍りはじめた。
窓際に置いてあった瓶の中の水も凍っていく。
突然、電車が大きく揺れた。


ロ「どうなってんだ?」


通路に目を向けると、黒い影が現れた。
骨のような手が伸び、ゆっくりとドアが開けられる。


「リ、リーマス…起きてっ…。」


目は黒い影に向けたまま、リーマスを揺さぶる。


「リーマス…リーマスっ!」


何度呼び掛けてもルーピンは起きないようだ。
黒い影がハリーとアリスの方を向いた。


「ぁっ…。」


アリスは、何か吸い取られるような変な感覚に襲われた。
視界の端に立ち上がったルーピンが映り、暖かい光が見えると同時にアリスは意識を手放した。
意識が完全に失われる直前、女の人が優しく囁くような声が聞こえた。











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