Love to...

□U、スピナーズエンド
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ス「昼食の用意ができたぞ。」


スネイプに呼ばれ台所に行くと、サラダにパスタ、スープがテーブルの上に並んでいた。


「あ、カルボナーラだ!やったぁ!!」


満面の笑みを浮かべて席につく。


「いっただきます!!」


器用にフォークに巻き付け、口に運ぶ。


「美味しいっ!男のくせにこんなに料理が上手いなんてズルいよねー。」

ス「我輩はアリスの作る夕食の方が美味いと思うが…。いつも色んな国の料理をレシピだけで作ってくれるではないか。」

「うん。私もまさか自分に料理の才能があるとは思わなかったよ。でも、自分の知らないお料理を作るのって、楽しいんだもん。」

ス「そうか。そういえば、あの後あの教科書はどうしたんだ?」

「軽く燃やして脅したよ。」

ス「…燃やした、だと?」

「うん。だって、全く言うこと聞かなかったんだもん。あ、大丈夫。燃やしたって言っても端が多少チリチリしてるだけだから。」

ス「教科書はもっと大切に扱え。」

「はーい。」


―――……。


魔法薬学の教科書を持ったアリスは、スネイプの部屋に来ていた。


「ねぇ、お父さんがいつもしてる研究って、何の研究?」

ス「…脱狼薬だ。」

「脱狼薬って…?」

ス「この世界には人狼と呼ばれる者が存在する。それは聞いたことがあるだろう?」

「うん。」

ス「奴らは普段は人の姿をしているが、月に一度満月の夜には狼の姿に変身するのだ。」

「何のために?」

ス「これは意志に関わらす、否応無しに変身してしまう。その変身を止めるのが、脱狼薬だ。」

「ふぅん。」

ス「人狼が社会で暮らしていくために、なくてはならない薬なのだ。」

「その脱狼薬って、難しいの?私も作ってみたい!」

ス「ダメだ。脱狼薬は他の薬より繊細で難しい。2年生を終えたばかりのアリスに調合出来るわけがなかろう。」

「ちぇっ…ま、いいや。いつか作り方教えてね。」

ス「あぁ、いつかな。」


脱狼薬の話はそれきりに、2人は魔法薬学の勉強を始めた。


「あ、そういえばさ。」


勉強をし始めて数時間が経った頃、アリスが思い出したように口を開いた。


ス「何だ。」

「リーマスの病気って何?」

ス「…何でもいいだろう。お前が知る必要はない。」

「ヤダ、知りたいっ!」


頬を膨らませる。


ス「ダメだ。」

「気になるの。」

ス「気にするな。」

「わかった。じゃあ、今からリーマスのとこに行って聞いてくる。」


勉強道具もそのままに、立ち上がったアリスをスネイプが慌てて制する。


ス「絶対に行ってはならん!」

「何で?!」

ス「何でもだ。」

「それ、理由になってないよ。」

ス「理由は言えん。が、今日だけは絶対に行くな!」

「今日だけ…?今日って何かあったっけ?」


アリスは朝読んだ新聞を思い出す。


「特に思い当たることはないけど…。」


顎に手を添えて考え込む。











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