Love to...
□U、スピナーズエンド
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スネイプ「アリス、朝だ。起きろ。」
「う…うぅーん…あと五分。」
ス「何度そのやりとりをするつもりだ。」
アリスのタオルケットをはぎとる。
ス「起きないのなら、今日のティータイムはなしにするぞ。」
「だめっ!」
スネイプの言葉に、アリスは飛び起きた。
ス「お目覚めですかな?」
何度も必死に首を縦に振る。
ス「朝食の準備は出来ている。早く顔を洗って来い。」
「はーい。」
アリスが返事したのを確認してスネイプは部屋を出ていった。
アリスも素早く着替えを済ませ、洗面所へ向かった。
―――……。
アリスがテーブルについてすぐにスネイプが朝食のプレートを運んできた。
「美味しそうっ!」
プレートには、サラダにスクランブルエッグ、こんがりと焼けたベーコン、トーストが綺麗に盛りつけられている。
「いただきまーす!」
ス「紅茶でいいか?」
「うん。あ、オレンジジュースも飲みたい!」
スネイプが杖を一振りすると、ティーセットとオレンジジュースが現れた。
「ありがとう!」
ス「今日の予定は?」
「今日はね、午前中は魔法生物の予習で、午後は…どうしようかな。」
ス「魔法薬学はどうだ?」
「え、教えてくれるのっ?!」
ス「あぁ。研究に一区切りついたからな。」
「じゃあ午後は魔法薬学にするっ!」
嬉しそうに笑顔でそう言った。
「ごちそうさまでした!」
食器をさげ、すぐに自分の部屋に戻って行った。
ーーー……
本屋の紙袋から、魔法生物飼育学の教科書を取り出す。
「何か、この教科書嫌な予感がするんだよね…。」
そう呟きながらベルトをはずした、次の瞬間…
「ぎゃぁっ!!」
ス「どうしたっ?!」
アリスの悲鳴に焦ったスネイプが部屋に駆け込むと、そこには教科書に追い掛けられ逃げ回るアリスの姿があった。
「た、助けて!」
杖を一振りし教科書のベルトを締め直す。
締められてなおバタバタと暴れていた教科書も、やがて静かになった。
「ふぅ…ありがとう。」
ス「気をつけろ。」
「はーい。」
スネイプは教科書を一睨みして部屋を出ていった。
「おい、こら。お前何様のつもりなんだよ。」
教科書を目の前に、床に座り込んだアリスが思い切り教科書を睨みつける。
「素直に開かないと燃やすぞ。」
教科書がブルりと震えたのを見て、そっとベルトをはずした。
「うぁっ…!」
再び教科書はアリスに襲いかかる。
「くそっ。このやろうっ!」
杖を振り、火を出し教科書ギリギリまで近づける。
端がチリチリと燃えているのが見えた。
「これ以上燃やされたくなければ大人しく開け、いいな。」
頷くような仕草を見せた後、バサリと教科書が開いた。
もう暴れる気はないようだ。
漸く、アリスは魔法生物飼育学の勉強をはじめることができた。
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