Love to...

□T、夏休み
2ページ/6ページ






「お父さんっ!」


ノックもせずに、ドアを開けスネイプの部屋に入る。


スネイプ「アリスか。どうした?」


スネイプは調合をしているようで、大鍋をかき回している。


「おじぃちゃんが呼んでるよ。」

ス「うむ、わかった。」


丁度完成したのか、鍋の火を止め中身を瓶につめはじめた。


「あ、そういえばね。リーマスが来てるよ!」

ス「リーマス…?あぁ、ルーピンか。」

「うん。リーマスとお父さん、同級生だったんでしょ?」

ス「…あまりいい思い出はないが、な。」

「お父さんの学生の時のこと、話してよ。」


あまりにキラキラした目を向けられ困ったスネイプは、悩んだ末にルシウスやレギュラスとの出来事を話しながら、校長室へ向かうことにした。



―――……。



「おじいちゃん、お父さん連れてきたよ。」


2人が校長室に入ると、そこにはソファに向かい合って座りお茶をするダンブルドアとルーピンの姿があった。


ダ「ありがとう、アリス。思ったより早かったのう。」


そう言いながら、ダンブルドアが自分の隣のスペースを軽く叩いた為、アリスはそこに座った。


ス「校長、我輩に何の用ですかな?」

ダ「まぁまぁ、セブルス。とりあえず、そこに座りなさい。」


不機嫌そうにルーピンを睨みつけながら、彼の隣に座った。


ダ「実はの、来年度の“闇の魔術に対する防衛術”の教師をリーマスに頼むことにしたのじゃ。」

ス「なっ!」

ダ「そこで、君に頼みがある。毎月、彼の薬を調合して欲しいのじゃ。」

「リーマス、どこか悪いの?」

ル「うん、ちょっとね。でも大丈夫だから、安心して。」


苦笑い気味に微笑みながらルーピンが言った。


ス「校長、ルーピンをホグワーツの教師にすることに私は反対です。」

ダ「何故かの?君が薬を作ってくれれば、対して問題はなくなるはずじゃ。君なら作れるじゃろ?」

ス「はい、ですがっ!」

ダ「セブルス、これはもう決定事項じゃ。」


まだまだ不満そうなスネイプに、ピシャリと言い切った。


ス「なら、せめて…授業の代理は私に…。」

ダ「うむ、よかろう。」


今度は笑顔で頷いた。


ル「セブルス、ありがとう。」

ダ「おぉ、忘れとった。2人とも紅茶でよいかの?」


そう言いながら杖を振ると、2人分の紅茶とクッキーが現れた。


「ありがとう!」


火傷に気をつけてゆっくりと紅茶を啜る。


「あ、そうだ!おじいちゃん、私ホグワーツ特急に乗りたい!!」

ダ「だそうじゃよ、セブルス。」


3人の視線がスネイプに向いた。


ス「ダメだ。去年のことを忘れたのか?」


カップを手に持ったまま、不機嫌そうにアリスを睨みつける。


「ちゃんと覚えてるよ。」

ス「なら、諦めるんですな。」


眉間の皺がさらに深くなった。


「嫌!今年こそは普通にホグワーツ特急に乗りたいの!」

ダ「では、リーマスにお願いしてはどうかの?」

ル「私は構いませんよ。」

ス「ですが、校長。こやつはっ!」


“ガチャン”とカップとソーサがぶつかる音が響いた。


ダ「わかっておる。じゃが、リーマスなら大丈夫じゃよ。」

「おじいちゃん…?」

ダ「アリス、1つだけ約束じゃ。ホグワーツに着くまで絶対にリーマスの指示に従うこと。守れるかの?」

「うん!」

ダ「ならよかろう。ホグワーツ特急で来ると良い。」

「やった!ありがとう!!」

ダ「アリスのために、コンパートメントを1つ予約せんといかんの。」


スネイプはまだ納得していない様子だったが、ルーピンとは駅で待ち合わせをすることになった。











次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ