Love to...
□T、夏休み
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「お父さんっ!」
ノックもせずに、ドアを開けスネイプの部屋に入る。
スネイプ「アリスか。どうした?」
スネイプは調合をしているようで、大鍋をかき回している。
「おじぃちゃんが呼んでるよ。」
ス「うむ、わかった。」
丁度完成したのか、鍋の火を止め中身を瓶につめはじめた。
「あ、そういえばね。リーマスが来てるよ!」
ス「リーマス…?あぁ、ルーピンか。」
「うん。リーマスとお父さん、同級生だったんでしょ?」
ス「…あまりいい思い出はないが、な。」
「お父さんの学生の時のこと、話してよ。」
あまりにキラキラした目を向けられ困ったスネイプは、悩んだ末にルシウスやレギュラスとの出来事を話しながら、校長室へ向かうことにした。
―――……。
「おじいちゃん、お父さん連れてきたよ。」
2人が校長室に入ると、そこにはソファに向かい合って座りお茶をするダンブルドアとルーピンの姿があった。
ダ「ありがとう、アリス。思ったより早かったのう。」
そう言いながら、ダンブルドアが自分の隣のスペースを軽く叩いた為、アリスはそこに座った。
ス「校長、我輩に何の用ですかな?」
ダ「まぁまぁ、セブルス。とりあえず、そこに座りなさい。」
不機嫌そうにルーピンを睨みつけながら、彼の隣に座った。
ダ「実はの、来年度の“闇の魔術に対する防衛術”の教師をリーマスに頼むことにしたのじゃ。」
ス「なっ!」
ダ「そこで、君に頼みがある。毎月、彼の薬を調合して欲しいのじゃ。」
「リーマス、どこか悪いの?」
ル「うん、ちょっとね。でも大丈夫だから、安心して。」
苦笑い気味に微笑みながらルーピンが言った。
ス「校長、ルーピンをホグワーツの教師にすることに私は反対です。」
ダ「何故かの?君が薬を作ってくれれば、対して問題はなくなるはずじゃ。君なら作れるじゃろ?」
ス「はい、ですがっ!」
ダ「セブルス、これはもう決定事項じゃ。」
まだまだ不満そうなスネイプに、ピシャリと言い切った。
ス「なら、せめて…授業の代理は私に…。」
ダ「うむ、よかろう。」
今度は笑顔で頷いた。
ル「セブルス、ありがとう。」
ダ「おぉ、忘れとった。2人とも紅茶でよいかの?」
そう言いながら杖を振ると、2人分の紅茶とクッキーが現れた。
「ありがとう!」
火傷に気をつけてゆっくりと紅茶を啜る。
「あ、そうだ!おじいちゃん、私ホグワーツ特急に乗りたい!!」
ダ「だそうじゃよ、セブルス。」
3人の視線がスネイプに向いた。
ス「ダメだ。去年のことを忘れたのか?」
カップを手に持ったまま、不機嫌そうにアリスを睨みつける。
「ちゃんと覚えてるよ。」
ス「なら、諦めるんですな。」
眉間の皺がさらに深くなった。
「嫌!今年こそは普通にホグワーツ特急に乗りたいの!」
ダ「では、リーマスにお願いしてはどうかの?」
ル「私は構いませんよ。」
ス「ですが、校長。こやつはっ!」
“ガチャン”とカップとソーサがぶつかる音が響いた。
ダ「わかっておる。じゃが、リーマスなら大丈夫じゃよ。」
「おじいちゃん…?」
ダ「アリス、1つだけ約束じゃ。ホグワーツに着くまで絶対にリーマスの指示に従うこと。守れるかの?」
「うん!」
ダ「ならよかろう。ホグワーツ特急で来ると良い。」
「やった!ありがとう!!」
ダ「アリスのために、コンパートメントを1つ予約せんといかんの。」
スネイプはまだ納得していない様子だったが、ルーピンとは駅で待ち合わせをすることになった。
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