Love to...

□T、夏休み
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今年はスピナーズエンドにあるスネイプの家で夏休みを過ごす予定だったが、仕事が残っている、というスネイプに合わせてアリスはまだホグワーツにいた。


「暇だなー…。」


ほとんどの教師が帰ってしまい、話し相手すら見つからず暇を持て余しているアリスはフラフラと廊下を歩いていた。


「あれは?」


ずっと遠くに、見かけない装いの男を見つけたアリスは駆け寄りながら、半ば叫ぶように声をかけた。


「すみませーん!」


声をかけられたことに驚いたのか、男はすごい勢いで振り向いた。


「あ、驚かせちゃいましたよね、ごめんなさい。」


男のもとへと走り着いたアリスは、苦笑いを浮かべた。


?「いや、大丈夫だよ。それより君は…生徒かな?」

「え?あ、はい。アリス・プリンスと言います。」

?「アリス、か。いい名前だね。それで、君は何故ここに?生徒は皆帰省中だろう?」

「私には帰る家がないんです。だから、私の家はここーボクワーツーだけです。」

?「そうか。それは悪いことを聞いてしまったね。」

「大丈夫ですよ、私は気にしてないので。それより、何かお探しですか?」

?「実は少し迷ってしまってね、校長室はどこだったかな?」

「校長室…ですか?」

?「うん。あぁ、先に自己紹介をした方がよかったかな?僕はリーマス・ルーピン。来年度から、闇の魔術に対する防衛術を教えることになったんだ。」

「ルーピン、先生。」

ルーピン「よろしく、アリス。あ、このことはお友だちにはまだ内緒だよ。」

「はい。」

ル「それと、まだ今は夏休みだし…できれば敬語はやめて欲しいな。」

「え?」

ル「堅苦しいのは苦手でね。呼び方も“リーマス”でいいよ。」

「…わかったよ、リーマス。じゃあ、校長室に案内するね。」


アリスはルーピンを連れて、校長室へと向かった。


ル「そうだ、ここで僕の同級生が働いてるはずなんだけど…知ってるかな?」

「同級生って、誰?」

ル「セブルス・スネイプっていうんだけど…。」

「え?リーマス、お父さんの同級生なの?!」

ル「お、お父さんっ?!」

「あ、ごめん。お父さんって言っても血は繋がってないんだけど。私、小さい時からホグワーツで育てられてきたから、つい。」

ル「じゃあ、君が噂のダンブルドアの孫かい?」

「え?あー、うん。…噂?」

ル「あぁ、ダンブルドアがベタ惚れだってね。」

「…否定はできないな…。」


歩きながら、ルーピンとの会話を楽しむ。


「リーマスさ、同級生ってことはお父さんの学生時代のことも色々知ってるの?」

ル「寮は違ったけど、少しなら知ってるよ。まぁ、セブルスは僕たちを嫌ってたけどね。」

「もしかして、リーマスはグリフィンドール?」

ル「そうだよ、よくわかったね。」

「うん。スリザリンとグリフィンドールは仲が悪いっていうから。」

ル「そうか。アリスは…どこの寮だい?」

「どこに見える?」

ル「グリフィンドールだと嬉しいな。」

「残念。私はスリザリンなの。」

ル「え、嘘っ?!スリザリンだけは絶対違うと思ってたんだけどな。」

「組分け帽子はグリフィンドールとスリザリンで悩んでたよ。」


話すことに夢中になっている間に、気付けばガーゴイル像の前に着いていた。


「えっと…」


アリスが合い言葉に悩んでいると、ガーゴイル像が突然動きはじめた。


「さすが!」


2人は校長室へと続く螺旋階段を上って行った。
アリスがドアを開けようと手を伸ばすと同時にドアが開いた。


「おじいちゃん!」

ダンブルドア「よく来たのぅ、アリス。それとリーマス、待っておったよ。」

ル「遅くなってすみません。ホグワーツに来るのは久しぶりだったので、少し迷ってしまいました。」

ダ「ほぅ、それでアリスがここまで案内したというわけか。」

「うん、そうなの。」

ル「ありがとう、アリス。」

ダ「わしからも礼を言おう。じゃが、アリスにはすまんが、一度部屋をでてもらおうかの。リーマスと少しばかり大事な話があるのじゃ。」

「もちろん。」

ダ「あぁ、それと…ついでと言ってはなんだが、セブルスを呼んできて欲しいのじゃ。」

「わかった!」

ダ「頼んだぞ。」

「任せて!じゃあ、ね。」


2人に笑顔を向けると、アリスは先ほど上がったばかりの階段を、今度は駆け下りて行った。


ダ「転ばないように気をつけるのじゃよ。」


そう叫ぶダンブルドアの声を背中に聞いた。











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