Love to...
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ロックハート以外の教師が出て行ってすぐ、ロックハートも慌ててトイレを出て行った。
ロン「あいつ、どこに行ったんだ?」
ハリー「さぁ?さ、僕たちだけでも2人を助けに行こう。どうせ、あいつなんていても邪魔なだけだよ。」
ロン「それもそうだな。でも…入口はどうやったら開くんだ?」
話しながら手洗い台の周りを回ってみる。
ハリー「ロン、ほらここを見て。」
蛇口の横に蛇の装飾があるのを、ハリーが見つけた。
ロン「きっと、これに向かって蛇語で話しかければいいんだよ!」
ハリー「やってみる。」
ロンに促され、ハリーは蛇語で“開け”と話しかけてみた。
すると、それぞれの手洗い台が動き始め、あっという間にパイプへと繋がっているであろう大穴が姿を現した。
ロン「すげぇ。」
ハリー「…行くよ?」
2人で目を合わせてから、ハリーが思い切って飛び込んだ。
ロン「うわっ…」
穴の中をのぞき込み、少しへっぴり腰になりながらもロンも穴へと飛び込んだ。
太いパイプの中を、2人が滑り落ちていく。
* * *
ハリー「こっちだ。」
動物の骨で埋め尽くされているパイプの中を2人は歩いていた。
すると突然、2人の前に巨大な蛇の抜け殻が現れた。
ロン「でっけー…。」
呆然と立ち尽くすロンを置いて、ハリーは抜け殻を登っていく。
ロン「ハリー、待ってよ!」
ハリー「足場が悪いから気をつけて。」
そう言うが早いか、急いでいたロンは足を滑らせた。
ロン「うわっ!」
抜け殻から転げ落ち、その勢いで壁にぶつかった。
ハリー「ロン、大丈夫?」
ロン「あぁ、どうにか。」
ローブについた塵をはたきながら、ゆっくりとロンが立ち上がったその時。
ロン「何だ?」
天井からパラパラと石が降ってきた。
ハリー「ロン、天井が!」
さっきの衝撃のせいか、天井が崩れ落ちてきた。
ロン「ハリー?!」
ハリー「ロン!!」
2人の間には崩れた天井の岩で壁が出来ていた。
ロン「僕は大丈夫だよ。でも、石が邪魔でそっちには行けそうにないよ。僕のせいで…ごめん。」
僅かな岩の隙間から顔を覗かせる。
ハリー「僕は2人を助けるために先に行くよ。ロン、君は帰りにここを通れるようにしといて。」
ロン「わかった。気をつけて、ハリー。」
情けなさそうな顔をしたロンに見送られ、ハリーは先へと進んで行った。
―――……。
長いパイプの中を歩き続けたハリーは、蛇の装飾がされた扉に辿り着いた。
扉を押したり引いたりしてみるが、開く様子は一切見られない。
少し考えて、ハリーは再び蛇語で話しかけてみることにした。
ハ「『開け』」
すると、先ほどまで微動だにしなかった扉が静かに開いた。
* * *
誰かの話し声でアリスは目を覚ました。
それに気付いたのか、ふと、リドルがアリスを見る。
トム「あぁ、やっと目が覚めたかい?」
ハリー「アリスっ!」
「ハリー!…あなたは?」
ト「僕?僕はトム・リドル。」
「トム、リドル…?」
聞き覚えのある名前に、アリスは首を傾げた。
「どうして、50年前の生徒であるあなたがここにいるの…?」
ト「こっちの方が君たちにはわかりやすいかな?さぁ、見てて。」
「それは、私の杖っ!!」
持っていたアリスの杖で空中に文字を書いていく。
“TOM MARVOLO RIDDLE”
「トム・マールヴォロ・リドル…。」
杖を軽く振ると、アルファベットが並び変わった。
“I AM LORD VOLDEMORT”
「ヴォルデモート卿…。」
ト「汚らわしいマグルの父親の姓を名乗るはずはないだろ?自分で新しい名を付けた。誰もが口にすることも恐れる最も偉大な魔法使いの名だ。」
ハリー「それはダンブルドア先生だ。」
ハリーは間髪入れずにそう叫んだ。
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